中途半端な密室

「中途半端な密室」東川篤哉
さすがに大ヒットした人だけのことはある。これは初期の作品集という事だけど、面白かったわ。
1・中途半端な密室。
テニスコートで殺人。中年の男。末次不動産の社長。真中くらいの所に倒れていた。ナイフで腹を刺されていた。同日。近くで、女性が襲われそうになって靴を履かないで、保護された。女性の靴はテニスコートの中(?)。テニスコートには中から鍵。中からは開けられる鍵。
これの推理。外から刺されて、中へ入って鍵を閉めた←これは、足跡の上に血がないのでダメ。次。同じく、血がついてないので、金網の外から刺されたというのもダメ。
なぞ解き。殺された男が犯人だと考えてみよう。女性の被害者が中へ駆け込んで鍵をかけたのだ。その前に乱暴しようとして、仮面を剥がれた。末次不動産の社長は、テレビで有名。それで殺す気になった。金網を上って中へ。しかしネットにひっかかって倒れて、ナイフがブス。女性は金網を乗り越えて逃げた。それが、テニスコート近くで保護された女性。
2・南の島の殺人。
S島から手紙。内容は次。「僕はダグラス氏の家で、雨宿りをした。帰ろうとしたら、息子が帰ってきた。翌朝、庭のパラソルの下で、全裸の死体。男。さて謎を解いてくれる」
なぞ解き。まず、S島というのは桜島。最初の雨宿りは、実は、灰から逃げた。
とすると、死体は、最初は灰がついていたと考えられる。そのままだと、灰の降った時と、死亡推定時刻が出されてしまう。それで、服を脱がせた。これでごまかせる。
そんな事ができるのは、息子のジミー。灰が降っていた時、僕は、ダグラス父とあっていたのだから。

他にも、面白いなぞ解きが二つ。

今週面白かったドラマは、「オニグマ」
男性(A)が競売物件に住んでいるの。それで、殴られて、タバコが落ちて火事になって、焼死。最初は事故と思われたが、解剖の結果、撲殺された形跡があるの。殺人。AとBはちょっと前まで飲んでいた。Aのロッカーには、片品物産社長をゆすっていたと思われる金がある。200万ほど。
そうこうしているうち、片品物産の奥さんが、昔ヤンキーで、A,Bと付き合っていたことが判明。17年前、会社員を突き落として死亡させたA.その時一緒にいた。一年後、Aのダチが自首を勧めたのを殴り殺した。
過去をネタに奥さんをゆすっていた。会社の秘書もどうも、変。奥さんは秘書にビクビク。そうこうしていると、川でBが溺死。
川を調べると、上流の水が胃の中に。Bの靴底からかいつぶりの花。付近を調べると、倉庫の前にその花。倉庫の中の水槽に川の水。ここで溺死させて、下流の川に落とした。解剖すると、殴られた跡も。倉庫の近く、こ料理屋の女将さんが目撃されていた。水槽に彼女の指紋も。問い詰めるが、ただ行っただけと言うばかり。(この辺で、片品物産の妻は、この女将の昔、捨てた子、だと推理できる。娘の苦境を見て、親が代わりにお金を渡していたのだと)。
Aが200万の金を持っていたが、これに女将の指紋。だが、オニグマはBの首の後ろの痣に注目。女将の所の従業員(C)の数珠の形と一緒。Cは女将に恩がある。
そして、そのCが片品物産の秘書を殺そうとしている(彼もゆすりをしていた)ところに駆け付けて、解決。