人面屋敷の惨劇

「人面屋敷の惨劇」(石持浅海
東京都西部でおきた連続用事失踪事件。十数年後、我が子を失った美菜子をはじめ6人の被害者家族は、犯人と報道された土佐のクラス「人面やしき」に乗り込む。
名前は、糸井由規美、加茂吾朗、中川弘也、藤田昭信、美菜子、菅山秀一。個人投資家の取材と称して、強引に6人が乗り込む。美菜子は、村野哲美からは依頼を受けていた。「耳の後ろに痣のある少女」が村野の娘。
土佐の書斎には、藤田の娘成長した絵があった。他の被害者4人の絵もある。
藤田が土佐を刺して殺した。中川と秀一は警察に通報しようと言うが、他の人は反対する。その時、娘が入ってくる。亜衣と言って、高校生くらい。村野の娘だった。
亜衣の言。「父は私を救ってくれた。この家には他の人の気配もある。でも会うなと言われていたので、会ってない」(この辺、変。トイレだって共同だろうし、会わないはずがない。高校だって行っていたと言う話しだし、地域で、拉致された子だって話題にならないはずがない。土佐は、昔、警察に調べられた過去だってあるし)。
亜衣は言う。「軽井沢に別荘があるので、そっちにいるかもh知れない」
亜衣は、免許証を預かるという。渡す。家族は言う。「跡から警察には連絡するので、暫く待ってほしい」
土佐の死体を寝室へ。そこのクローゼットの中に、バラバラにされて行く子供の絵がある。それは、糸井由規美の娘、春香の絵。由規美はだんだんおかしくなる。
藤田が逃げようとする。それを秀一が防ぐ。藤田をリビングの椅子に縛り付ける。田の5つの部屋は、すべて鍵がかかっていて、不在。
全員がキッチンを捜索。午後7時。藤田を呼びに行く。すると、藤田は口の中にティッシュを詰め込んで殺されていた。
由規美の意見。「藤田は土佐を殺した。その復讐で、亜衣が殺したのよ」
秀一が反論。「彼女はずっと自分と一緒にいた。
由規美「亜衣は美人だから、丸めこまれたのよ」
加茂がスケッチブックに嘔吐した。由規美が刺した。「娘を汚した」と言って。手には土佐を刺したナイフ。
秀一が叫ぶ。「藤田を殺したのはあなたですね」。由規美「そうよ。娘の復讐よ」(完全に狂っている)。そして、戦って、ナイフが自分の腹を刺して死亡。警察へ通報。
中川が言う。「藤田を殺したのは君だね。秀一君」。どうして、と秀一。
中川「土佐の絵の中に、秀一そっくりの絵があった。君は、土佐に拉致された子供だ。そして、藤田が土佐を殺したので、復讐で殺したのだ」
感想。けっこう、おかしいと思う所が多かった(同じ家にいて気がつかないなど)、けど、面白かったわ。

今週面白かったのは、山村美紗
気に強いルイさんと、もう一人の気の強い刑事(名前が思い出せない)のからみが良かったわ。
筋。
京都の名門の能の家元、次の家元の指名をする。三番叟の舞台。長男が指名されて舞う。その時、扇子をくわえて死亡。扇子に青酸カリが塗られていた。
扇子を渡す儀式。家元と三人の弟子の間で、行われる。舞いの直前。扇子は扇子やで作られて、箱に入れられて封印。でも、封印する前、関係者全員が触れることはできる。
 さて、長男は後妻の子。不倫してできた子じゃないかと言われていた。家元候補は、先妻の間にできた長女と、叔父。長女は扇子やと恋仲。
さて、その後、家元の愛人が、青酸カリで殺される。踊りの手ぬぐいに毒。でも、誰でも触れた。家元は、愛人が叔父〈家元からすれば甥〉と不倫しているのは知っていた。
 さらに、その不倫していた叔父もナイフで殺される。
(ちょっと感想。この時点で、後の方の二人を殺す動機を持っているのは家元だけだが、そのことを強く画面で印象づけているので、家元が犯人じゃあ、おどろかないな、と推理できる。つまり、犯人は家元以外、と読めてしまう)
 さて、叔父の家だが、密室だった、との事。でも、二階の窓が少し開いていた(でも、出れない程度)。これと、捨ててあった能面の紐とタコ糸から、密室の謎を解く。つまり、ロックする前、2階の窓から紐を降ろして、それをロックのノブにかけて引っ張ると、ロックできる。
(この所、テレビでは、ドアチェーンらしき物が掛かっていた。ドアチェーンはロックとは別だと思うのだが。この辺が甘い)
さて、主人公は、能面の結び方と家元の後妻の紐の結び方を見て、犯人は後妻だと解く。さらに、前は、叔父に、次の家元が決まっていたと聞き、後妻犯人説を強める。
つまり、家元が後継者を急に代えたので、母が子を殺す結果になってしまったのだ。
他の二人を殺す動機は、とってつけたような感じ。
感想。山村美紗は安心して見ていられるわねえ。