時計館の殺人、夏鮪

時計館の殺人」(今邑彩
1. いける屍の死。
「生ける屍」というバーに来て、小説家がママに話をする。軽い沢の別荘で、小説家が殺されているのを記者の若い愛人が発見。しかし、その小説家は8時間前にも東京のマンションを出るのを目撃されていた。ほかに軽い沢でも目撃されている。すごい厚化粧をしていた。死体が歩いていたんじゃないか。厚化粧は死斑を隠すため?
さらに軽い沢の別荘では、記者も殺されていた。トイレの中で。中から鍵。壁に「生きる屍」の文字。さて、この謎解きは?
実は、「生ける屍」というのがミソ。この店の主人が犯人なのさ、と小説家がいう。後から編集者が店に入ってくる。
「これはタチの悪い冗談ですよ。私もばかにしたら、首が折れるほど首を絞められた」

2. 白黒の反転
ある別荘。バーさんが2人。バーさんAは元大女優。
若者たちがオセロをやる。バーさんAはどっちが勝ったのかわからない。つまり目が見えない。さて、殺人がおこる。そのバーさんが物置に入った。そのときは、死体は物置にあった。しかし見えなかった。犯人は、その前にアリバイのないもの?
ここまではわかる。読んだことがある。しかし時計を15分進ませたあたりから、よくわからない。

3. 隣の殺人
主人公の隣の部屋で、大きな音。それ以来、妻の姿が見えない。隣の部屋へいく。ご主人の肘に血が。「これはケチャップですよ。妻は風邪で寝込んでいます」の返事。妻に合わせてくれない。殺したのではないか? テレビレポーターが来た時のことなどを妄想する。隣の部屋からいくつもの黒いごみ袋を出している。切断した?
隣の妻の有紀はジュエリー有紀に努めている。そこで電話。風邪で休んでいる。隣のご主人はいう。「風がよくなったら、4人でお食事をしましょう。引っ越しますので」答える。「いえうちの主人も風邪で休んでおりますので。それに仕事が忙しいので」
で、会食の日、有紀はクレソンを買って帰ってくる。生きている。
で、会食の後、隣の夫婦は話している。「隣の妻、ご主人を殺したんじゃないのかしら。最近姿が見えないし、黒い袋を運びだしている。ヒレ肉を食べなかった」

4. あの子はだあれ
17年前、交通事故。「美代子ちゃん」と読んだら駆け付けてきて、事故死。毎年棗の木の下に現れる。成長している。弟は、パラレルワールドだという。もう一つの世界。そこでは私が死んだことになっている。私はお見合いして結婚。すると毎年、まりが現れる。弟は見合い写真を見ても断る。弟は、向こうの世界へいける。そして、そこで美代子と結婚したのだ。

5. 恋人よ
知らない女から間違い電話。「赤ちゃんが生まれた」次「息をしていない」次「死んだようだ」
留守電に「高岡です」と吹き込んだ。知らない女は、本名が高岡だと思い込んだようだ。「赤ちゃんの半分を送ります」
(どうやって、住所を調べた?)
で、メロンが届く。「実は、あなたの恋人の友達。連絡くれないから、いたずらした」

6. 時計館の殺人
二階で大楠先生が消えた。一回にには降りてこない。翌日大楠先生が雪だるまの中に。
メッセージが残されている。「共犯者は6時半には館の中にいた人ではない」
「野間さんだ」
トリック。部屋の鍵を取り換えておく。?とXI。だから、私は?に入ったつもりが、XIに入った。その部屋には、最初から誰もいない。
感想。よくわからない。キーが違っていても、部屋の位置に違いはないのだから、間違うはずはない。

「夏鮪」(和田はつこ)
本が薄い。ほとんどがグルメ。なぞは少し。でも売れているらしい。
日本橋の木原店の一善飯屋。料理人の季蔵が主人公。彼は料理もするし、なぞもとく。
幽霊ご膳を作る。喜之助が祝言を上げる。新婦の妹の幽霊も招く。
内容。岩もずく酢。なすの辛味ミソ。夏大根のカラスミ乗せ。長いものふわふわ。
葉わさび豆腐。夏のうりとアナゴ飯。幽霊ジル、水小豆
支度部屋で喜之助が倒れていた。息をしていなかった。その後、達吉が気が付くと、黒いものが、おつゆ(新婦)を抱えて、客間から池のある中庭へ。御堂の中で、そこで幽霊は消えていた。喜之助は、毒殺だった。
新婦のお露が毒をもった。消えたお露を探す。黒いものは、お露が自分のうちかけをひっくり返して、幽霊にみたてて、張子をくるんで、姿を消した。人相書きで探す。高砂町ののお光と判明。
さて、山木やで鮪つくしの会食が開かれる。
季蔵の膳。
あぶり鮪。鮪のほほ肉焼き。鮪の皮酢味噌和え。鮪のつくね串焼き。鮪の鍋照り焼き、半熟卵添え。
ここで、長持ちの中から死んだ女が出てきた。病気で中へ入って、死亡。
ある医者の所にいたとの証言あり。その医者には、死にそうな病人がよく運び込まれると噂あり。前、清次郎が屋根から落ちて死にそうになった。そして運び込まれてそのまま。
でも、彼によく似た人を見たとの証言あり。突き止めて話をきく。すると、その医者は、行方不明にしてくれるとのこと。彼も、家がいやになり、落ちた真似をして(穴を掘っておいて、そこへ落ちた)、姿をけした。
お光もそうやって、姿を消して逃げ回っていたんじゃないか。