猫始末、オサキ婚活する

「猫始末」(お医者同心中原龍乃介)和田はつ子
お医者同心と書いてあるから、死体を見て死亡推定時刻を出したりするのかと思ったら、
まったく違う。ただカミツレとかを処方して、いらいらを鎮めるだけ。それでお医者同心
?詐欺じゃない?
それから、薀蓄だけ。殺人が起こらない。羽織の裾を巻き込んで着るから、巻羽織だとか。
本当、うんざり。
最後に、一つだけ、謎解き。それって、短編サイズじゃない。あんまり忙しいので手を抜
いているみたい。
謎解きを一つ。
三日前、堀米屋の大吉がいなくなった。桜の木の下に埋められていると夢で、死神が言っ
た。掘ってみると、人骨が。堀米屋の衣装だが、三日で人骨になるわけがない。
主人が思いついた。数年前、蔵の千両箱が一つなくなった。金の仏像、利休の茶碗、李朝
のツボなども。由吉がいなくなった。強盗の手引きをして逃げたと思っていたが、由吉に
違いない。殺された埋められたのだ。もっと掘ると、千両箱も出てきた。
千両箱の上に、口紅のついたお守りが落ちた。これを当主の妾のおゆいに話した。お守り
の神社のそばに住んでいる。
おゆい言った。「それは確かに私のもの」
妾になる前の話。店の手代と言い交していた。そして、千両箱の話も聞いていた。二人で
掘り出そうと考えていたが、急に相手が信じられなくなり、相手を殺して、桜の木の下に
埋めた。そして、考えた。お妾のほうがまし。で、妾になった。
出刃でついた。しかし、松本は違うという。おゆいは自害しようとする。
すると、男が飛び出してくる。手代の重助だった。
重助の話。
私が千両箱を由吉と盗んだ。おゆいの見受けの金が欲しかった。由吉を殺して埋めた。
しかし、おゆいはそのとき、身受けの話がすでに決まっていたので、千両箱はそのまま
にした。
お内儀は妊娠している。悪阻がひどい。脅迫状が来る。
「かごめかごめ、駕籠の中の鳥は、いついつでやる。夜中の番に、つるつるつっべった」
シロとタマが子供の所まで案内した。
おときがかわいがって、遊ばせていただけだった。
お内儀の自作自演の脅迫状だとわかった。

手代の重助がおゆいと一緒になると聞いたからやった。重助が好きだった、とお内儀。

「オサキ婚活する」(高橋由太)
前に紹介したのと同じく、漢字は少ないし、一行ぬかしは多いし、内容はないし。超読み
安い。
筋。今回は女比べ殺人事件。
本所深川、嫁ぎ遅れの女たちがかどわかされて、消えていく。疱瘡までもが大流行。疱瘡
地蔵が大流行。疱瘡婆が嫁ぎ遅れの女をさらっていると噂。江姫の幽霊まででた。崇江院。
江姫が疱瘡よけとしてまつられている。女比べをやることになった。
今でいう美人コンテスト。
そこへ旗本の息子小森雄三郎がやってくる。気に入った女がいたら、扇子を投げる。
手代の周吉を女装してだすことになった。これがなかなかの美人で、小森は周吉の前
に扇子を投げてしまった。さて、どうなるか。
面白かったのは、鬢の形。町人は鬢をそる、粋に見える。武家は威厳あるように剃らない。