御宿かわせみ4.さざんかは見た

御宿かわせみ4.さざんかは見た」(平岩弓枝
1・山茶花は見た。
万石屋主人の相談。
強盗に入られて、千両を盗まれた。おきくが騒いで、まそ廟で3人を捉えた。
おきくは、手水場から見ていて、強盗の腕に入れ墨があったと証言。それで、
島送りになった。しかし、10日ほど前にし間抜けをしたと聞いた。
それで、おきくに害があると困るので、かわせみで預かることになった。
おきくというのは、乳母おせいの娘。おせいが病気で、迎えにやろうと話していると、
運よく出てきて居ついた。
さて、次の日、地震があった。まそ廟には南京錠が、あの事件以来かけられていたが、
屋根に穴が開いた。その夜、お菊がかわせみを抜け出した。そして、ほうほうの体で、
万石屋に戻った。誰かに呼ばれて出たが、縛られていた。その後、るいが見張っていると
お菊が忍びだした。近くで、手代の清吉が誰かに切られた。東吾はどこかへ出ていた。
そして、まそ廟までいくと、千両箱を男たちが運び出していた。あわてて、大声を出すと、
東吾と畝が飛び出してきて、逮捕した。
東吾の推理。
お菊の証言が怪しかった。あの暗さではあざはみえない。
それで、お菊も一味では、と考えた。千両をまそ廟の床下に隠した。その当時は鍵はなか
った。
お菊の田舎から出てきたのが偶然すぎる。万石屋に手引きした者がいる。それが清吉。
お菊は、強盗以来、清吉とねんごろになって、手引きさせた。そして、今回、地震で屋根
に穴。
盗みだすつもりが、島抜けした奴らにみつかって、清吉は殺された。しかし、それを予想
していた東吾は、まそ廟を監視していたので、逮捕できた。

2・女難、剣難。
畝源三郎が町廻りをしている時に、ひとめぼれされた。大柄な女。水戸の材木商の娘とか。
一方、板倉や清兵衛が殺された。丁稚の話。100両もって、柳橋の土手へ。吉原の女が
いるが、女はそんな約束はしていないという。
七草の日にも、寺の境内で、女と会っていた。何か頼みごとをされた。大柄の女だった。
板倉やは畝の父の大親友だった。縁談をまとめたいと公言していた。
与力の遠野但馬が殺された。
和橋の近く。女が悲鳴をあげて倒れそうになったのを、助けようとして、逆に刺された。
この女は小柄だった。
元スリの喜助の話。
くち縄の仁吉を捉えたのが、畝源三郎。お裁きをしたのが、遠野。仁吉は、それの復讐で
はないか。娘は大柄。子分はくの一。小柄、女装が得意。
畝が呼び出された。屋形船の中。大柄の女。裸。近くに子分3人。東吾が捕縛した。やは
り、父の復讐だった。

3・江戸の怪猫
冬。大川橋(吾妻橋)の上で、女が着物を脱いで、大川へ飛び込んだ。そして、泳いで、
近くの船へ乗り込んだ。
男が橋の上で、着物を片付けた。船の上、5,6人いる。その中の一人が首に毒矢を
受けて、死んだ。吹き矢で、先にハブの毒。
飛び込んだのは鶴次。死んだのは扇屋の旦那。おかしいと言い出したのは千代吉。
最初は鶴次が吹いたのかと思われたが、衆人環視の中では無理と、釈放。
船に乗っていたのは、深川の屋花やの内儀のおせん。柳家太兵衛。大和や重蔵(扇屋
の遊び友達)江島や久兵衛。芸者の千代吉と、米蝶。新造2人、船頭と若い衆。
扇谷藤左衛門は、7年前に、婿を迎え、隠居していた。
通夜の夜、妻のおきくが殺された。井戸に突き落とされた。
女中の話。猫がいつもいる。猫が大嫌いで、お内儀は、井戸に近づかなかった。
鶴次の話。「飛び込むのが決まったのは、あの日の朝。それからすぐに船に乗った。
千代吉だけは、着替えを取りに、宿に戻った。千代吉は猫を飼っている」
猫を連れて、扇屋にいく。婿の三次朗が泣き出す。
過去を調べる。三次朗は、昔、おしゅんという女と付き合っていた。妊娠した。
それを知った、おきぬ(産まず女)はなぐるけるの暴行w働いて、流産させた。
旦那も見て見ぬふりをしていた。自殺した。猫が見ていて、怖くなった。
それで、オシュンの妹の千代吉が復讐をした。東吾は、200両を千代吉に渡した。
おしゅんの供養のため。

4・鴉を飼う女。
松平越前の守の下屋敷のそばの空き地。男が女を殴っていた。東吾は男を殴って、
退散させた。鴉が、と女が言うので、行ってみると、鴉が戻っていた。女の飼っていた
鴉。奥山で芸をさせている。
逃げた男には大きな瘤があった。畝源三郎、香具師(やし)の子分で、亥の松ではないか。
三日ほどまえ、彦座が殺された。怨恨らしい。お絹を巡って(救った女)いざこざがあ
った。あの子がお絹。
お絹の言い分。
父彦座を殺したのは、文七親分に違いない。あたしを妾にと言って、父と争っていた。
気が荒い。そして、私も嫌がったから、亥の松に私を殺させようとした。
亥の松の死体が、水神の森の近くの川に浮いた。刺されていた。
昨日、殺された。文七にアリバイ確認した。染め蝶の所、染め蝶の言い分。「明け六つ
に帰った」アリバイは崩れた。
怒った文七は、染め蝶を殺して、お絹をさらった。東吾と源三郎で逮捕した。鴉の
勘三郎が加勢した。

4・鬼女
呉服屋の入り婿が、行方不明。尾張町の津田屋、五兵衛。一両日。お内儀は、奉行所
届け出ない。今までに、家を空けたのは、冨士講で、富士山に登った二日だけ。
お内儀が、駕籠で千駄ヶ谷村から帰ってきた。千駄ヶ谷八幡には、瑞円寺の境内に、
小冨士さんと呼ばれる富士権現が祭ってある。本当に富士山の代わりにまいる。そこへ
行ってみる。
尾張町の五兵衛は来たことがない、と宮司
その頃、近くで人が殺された、武兵衛どんの所の婿で文次郎。そうこうしていると、津田
屋で5百両の不明金がみつかった。5兵衛が持だしたらしい。
ところで、文次郎は、昔、たまに浅草に奉公にいっていたことがあった。ここ三年も出稼
。文次郎が死んだときの衣装、唐䙁の着物、煙草入れ、財布。
津田屋の手代、忠介にきく。ご兵衛の物と一致。
文次郎の顔を見せる。ご兵衛であると証言。殺したのは妻。おあつ。逮捕された。
おあつは、夫が、一度、千駄ヶ谷村へ行って帰ってきたとき、女がいると察知。今回は、
村へ行って、妻と息子といるところを見て、逆上して、刺した。

5・ぼてふり安。
ぼてふり安。深川の女郎に惚れて、娘を女郎に売って、その金で見受けするって噂。かわ
せみでは、その噂でもちきり。
ところで、辻斬りが続いている。
日本橋本石町に住む街医者。切られて、10両を取られた。蔵前の札差、吉井やの番頭。
伊三郎、100両とられた。上野、浅草、赤坂と続いた。腕の立つ、浪人。
かわせみに泊まった、近江の絹証人、五兵衛が品川へ向かったが、連れの人が遅れてきた。
ご兵衛へ早立ちで知らせたが、品川へついていない。品川の定宿、布袋や。
ご兵衛が殺された。品川の御殿山近く。
ぼてふりの安の娘、女郎になった。安は、お柳を見受けしたが、お柳は吉三と会っている。
吉三は、30両を丑松へ渡した。お柳を別の店へ女郎として打った金だ。
丑松の後をつける。花川戸へいく。辻斬りにあう。丑松は切られた。東吾は30両を安の
娘のためにひろう。辻斬りと戦う。
辻斬りと尾行してきた畝源三郎が協力。逮捕。安の娘は、顔見せで見受けが決まった。

6・人はみかけに
かわせみで、若い女が出産した。一緒にいた男がいう。江戸の材木商の丸正の正太郎と
いう若旦那の子供でやんす。自分は飾り職人。すあか(銅)を飼ってきて、ネズミの
見事な帯締めを掘ってくれた。これを宿賃に。
その男、清吉が、丸正にゆすりに入った。
一方、娘は、手切れ金として、正太郎にもらった三両のうち、一両を宿賃にと差し出す。
それを見て、東吾の目の色が変わる。
丸正は、三年前、甲州の材木商に買い取られた。甲州か。
正太郎が女のもとへ忍びこむ。一両はそんなところにはないぜ、と東吾。丸正へ捕り方
が入る。贋金つくりをしていた。あの一両が贋金だった。

7・夕涼み殺人事件
築地、明石橋近く、上柳原町。桶問屋の番頭、吉兵衛と、近くの女中おしげが殺された。
刀で刺されていた。
次、伊兵衛と芸者の小文が殺された。
船宿の近く。槍で突かれたようだ。
見ていた娘がいた。麦湯売りのおたよ。伊兵衛の右手には入れ黒子があった。小文には
なかった。
「伊兵衛は女郎嫌いのはずよ、」とよしのは言う。おたよは仕返しを恐れている。
姉おはまは病弱。父はばくちうち。おはまにも入れぼくろあり。
松浦やへいう。おはまが昔奉公していた。
東吾の推理。おはまが、昔、伊兵衛と深い中。で、おはまがやったのでは?
おはまは手籠めにされた。10年も前。おたよはその復讐でやりで殺した。
おはまが首をくくって死んだ。おたよが白状。

追伸。
大阪維新の会が内紛でもめているとか。もめろ、もめろ。そして、分裂しろ。そして、橋本君の代わりに、伸介君を。