虚像の道化師。(ガリレオ7)

「虚像の道化師。(ガリレオ7)」東野圭吾
1・幻惑す。
山の中の振興宗教。教祖が超能力を使えると噂で、急成長している。そこへ取材が入る。
細長い部屋。窓は開け放ってある。教祖がAの心に濁りがあるという。金を使いこんで
いるだろう。Aは否定。すると、念を送る。Aは逃げて、5階の窓から落ちて死ぬ。
謎解きを言ってしまうと、マイクロ波。レンジより波長の短い波。
これを充てられると、炎に追いかけられるような暑さを感じて、逃げ出すとか。
教祖の壇の下に感熱紙を置いて、湯川が発見した。
この、レンジのマイクロ波に関しては、私も一つトリックを考えた。
ある日、レンジの扉の壊れた箱のある部屋で、テンカンの患者が死んでいた。死亡推低
時刻は、零時から一時。Aが疑われた。しかし、その時間、部屋の前の廊下でペンキ塗り
が行われていた。密室。AはMRIのある部屋の前にいた。
謎解きは、MRIで殺して、朝、その部屋に運び込んだ。MRIは椅子などが飛んでしまう程
の強力な磁気。てんかん患者は頭の中に、クリップが大量にあるから、それが外れて死ん
だ。
なんで、こんなトリックを話してしまうかというと、時代劇に転換したから。
まあ、占い師に、そっちの方が可能性があると言われたのだけど、最初は、トリックの
レベルが低いし、簡単だと思った。けど、指紋とか、DNAとかに骨の髄まで染まって
しまった人間が、それのないのを書くのはとても大変。トリックが考えられない。
まあ、なんでも、新人賞を突破するのは大変だわ。

2.心聴る。
よくわからない。
ジーーっと、だれかがささやいているような幻聴が聞こえるというもの。
パソコンとある増幅器をつなぐと、できるらしい。それも、指向性のある音波に変換
して、特定の人を狙えるらしい。苦しい。作者も時間がなくて、1をちょっとひねって、
ごまかしたって感じ。

3・偽装う。
あるペンションで殺人。夫は猟銃で撃たれて、ロッキングチェアの上で死。妻は扼殺。
猟銃は窓の外。
娘が発見。強盗だと騒いだ。
娘と言っても、夫の籍には入っていない。娘の母とは結婚している。この辺、複雑。
夫は作曲家。昔、ヒットあり。
調べたら、妻がプロヂューサーのBと浮気。
娘は、Bが怪しいと言ったが、Bは都内。
湯川の推理。猟銃でやられたら、反動で、椅子が動いて、すべりおちる。
それがないということは、自分の足で、引き金を引いた。となると、妻の扼殺が先。
猟銃は第一発見者が順番を狂わせようとして、外に捨てたとしか考えられない。
なぜそんなことをしたか。娘は父の籍に入っていないのだから、父が先に亡くなって、
母が後から無くなってくれないと、財産が入らないから。
この偽装して、死者の順番を入れ替えるってのは、石持浅海の「あたたかい手」のアレ
ンジだよね。そう考えると、石持浅海は天才だよね。

4.演技る。
これは面白かった。面白すぎて教えたくないから、読んで。

今週面白かったドラマは、パーフェクト・ストレンジャー。まあ言ってしまえば、アクロイドなんだけど。でも、アクロイドは、何度見ても、驚くわ。