はやぶさ新八御用帖・鬼勘の娘

はやぶさ新八御用帖・鬼勘の娘」(平岩弓枝
1・箱根七湯
谷口惣太夫が箱根で行方不明になった。美作から小田原へ来たとき。足が痛いので、箱根で湯治をするといったまま、江戸へ来ない。息子の惣一郎が止まるといった旅籠に行ったが、来ていない。三浦志摩守の家へ行った。惣一郎は後妻の子。先妻は病気で死んだ。
下男、忠介の息子の吉之助が一緒にったが、返された。
新八朗は、今回は、忠介と一緒に行った。忠介は何か話したがっている。
箱根へ行った駕籠かきを突き止めた。五郎八と甚六。二人の話。宿の前で下した。すたすたと歩いて行った。
茶店へ入った。滝の茶屋。そこである女の顔を見て、忠介が顔色を変えた。女も。
忠介の話。あの女はおさよさん。実は、惣太夫の最初の妻が死んだというのは、嘘。浮気をしたので、離縁した。
茶店の主人に聞く。おさよさんは、この近くの姥この湯の近くに住んでいる。箱根細工を売っている。
忠介の話。時々手紙をくれた。惣太夫も、ふびんな事をしたと、悔いていた。
新八郎の推理。惣太夫は、おさよを見かけたのだ。それゆえ、箱根までまた戻ったのだ。その後、数月も、惣太夫の行方が知れないということは、あの女に殺されたのに違いない。
新八郎が宿で湯に入っていると、女が入ってきた。明日、惣太夫のいるところまで案内するという。
翌日、忠介を連れて、途中に忠介を残して、二人で、姥子の湯まで行った。途中で、崖の上で、女に突き落とされた。木に引っ掛かって、助かった。しばらくすると、忠介が助けに来た。
川の中を調べてもらうと、惣太夫の死体が。白骨化していたが、着物が同じ。
女の告白。懐かしくて、一晩、寝た。翌日、態度が変わったので、殺した。

2・白い殺人鬼。
綾瀬川秋葉神社の手前で4つに分かれるところ。男の死体が上がった。心の蔵をひと突き。上等の紬の着物に角帯。煙草入れもしゃれている。上流商人。
死体は、深川門前町、布団やの主人。両津や吉十郎だった。妾宅えいった。所が、手代が用があって、行ってみると、来ていない。
駕籠屋、九朗助と千七(深川、蛤町)
2人の話。吉十郎を届けたのは、向島の料亭、大七
大七の話。御高祖頭巾の女と食事していった。持っていた50両はとられた。
御底頭巾の女による二度目の殺しは、三日後に起きた。
日本橋本石町の綿谷、越後屋藤兵衛が、築地、南本郷町の寮で、胸を刺されて死んでいた。
御高祖頭巾の女が、出ていくのを、目撃した人がいる。
両津や吉十郎は、深川で、自分の店を出す前は、越後屋の番頭だった。
藤兵衛の所の手代の話。一緒に夜釣りに来たが、人と会うので、一人で釣りをしてきてくれと言われて、一人で夜釣り。翌朝、死んでいた。
2人とも、槍で突いたような傷口。
藤兵衛の家に行った。百姓女のような、がっしりした女が文を持ってきた。文はもって帰った。「お春さんの遣いか?」の声を聴いた。
被害者二人は、佐渡からの奉公人。奥坊主の今川常朝斉が、江戸で商売をするからと言ったので、ついてきて、商売を始めた。
今川常朝斉は、佐渡の金山の役職についていた。根岸肥前の守は、その頃、佐渡奉行を務めていた。
今川の家にいった。葛西からの行商人が、二人、第八車に野菜を乗せて、門前で休んでいた。
家中から駕籠が出た。甥の玄乃丞がのっていると、門番が言った。そのとき、野菜売りの女が、その駕籠に切り付けた。「玄乃丞、親の仇」。しかし、それは空。4,5人の侍が出て、二人は切られそうになった。新八郎が助けた。一人は男だった。
野菜売り二人の話。
11年前、佐渡金山の役人、岡本喜十朗は上役の、中島玄内が、幕府に収める金の量をごまかしているのを発見。暴露しようとしたが、逆に、海に突き落とされた。その子供と女中であった。
みなしごになった、岡本春之助は、百姓屋に預けられて成長した。手配をしたのは、肥前の守。それで、成人して、今回、復讐にやってきた。先に殺された二人は、隠した金を運ぶ部下だった。

3・ご老女様の恋文。
池の端、七軒町の近くの休昌寺。侍が、3,4人、駕籠を守って走ってきた。駕籠には、ぐるぐる巻きの縄。田舎侍。かどわかしか?新八郎立ちふさがる。
一人が飛びかかる。よけると、池へ落ちた。後ろから、鳶たちが、追いかけてくる。侍、駕籠を置いて逃げる。
仲から出てきたのは、池の端仲町のとき。湯島の鬼勘が訪ねてきた。
救ったのは、中村歌三郎という役者の女房。おときは、新地のひさご屋でバイト。帰る途中、誰かに尾行された。
翌日、先日の侍の死体が浮いた。侍が4人来て、死体をさらっていった。身元がわかると困る。
クマ吉が歌三郎について話す。
神田佐久間町の紙問屋の娘が嫁入り前、歌三郎に恋文を出した。それが巡り巡って、悪い奴の手に渡って、大金をゆすりとられた。
歌三郎に会いに行った。途中で、大慌てで出てきた、美人の腰元にぶつかった。箱迫お落とした。贅沢な紙入れ。
黒門町から広小路まで、出て探したが、いない。困っていると、寛永寺の方から女駕籠。寛永寺行って聞くと、元千代田城、大奥御老女様、龍田様の御参詣。
今は里帰り。阿波播磨の守の叔母にあたる。おときの家にいく。おときが、血まみれで倒れている。次の間、夫が死んでいる。
鬼勘を呼びに行った。戻ってみると、何かが変。鬼勘の話。
娘、おこまのいいなずけ、吉之助が来た。驚いて、現状をまごまごと話した。
新八郎は、吉之助の手を見た。着物の裄が短い。その着物は、茶箪笥の上にあったもの。
おこまの証言「それは父の」。吉之助を捕まえる。
吉之助の証言。恋文でゆすっていたのは、おとき。相手は腰元。腰元の帰った後で、500両を奪って、殺した。そのとき、返り血。どうしようかと思っていると、新八郎。
慌てて隠れて、いなくなった後、茶箪笥の父の着物を着て、匕首と血まみれの着物を隠した。

4・鬼勘の娘。
鬼勘の娘が、下谷、七軒町の佐竹右京太夫上屋敷に奉公している。
彼女が言う。青木甲斐の守の三男の命が狙われている。長男は体が弱い。
「一日も早く出家しないと、呪い殺してやる」との文が投げ込まれていた。
妾腹の子、冬の助。弟の青木千の丞の養子。次男。大名家の相続争い。
信一郎の母がやきもちやき。極度の心配性。
千の丞の所からいただいた菓子を、なにやらおかしいと言って、信一郎の食べる前に、猫に食べさせたら、死んだ。歌詞は、千の丞も冬の助も食べたが、何ともない。
新八郎の推理。奥方の一人芝居ではないか?
瑞聖寺へ行った。信一郎が行方不明。雷が鳴った。牛が突進してくる。その前に、信一郎が。冬の助が飛び出して、丑の前え。そのとき、もっていた脇差に雷が落ちた。それを目の当たりにした信一郎も死んだ。

5・お化け女郎
吉原の女郎屋の寮に化けものが出る。分け花菱の花衣という格子女郎が、子の寮で首をくくって死んでから。
寮に出入りしていた植木屋などが、見た。夏風邪をこじらせた妓も見た。
お初が、伏見やの相談を持ってくる。
伏見や清之助は、分け花菱の女郎の男だった。飽きて、女郎屋通いをやめた。おことと夫婦になりたいのを父に反対させた。おことは義理の妹。
おことには縁談が持ち上がっている。同じ町の、住み吉屋の倅、勝太郎。
東叡山御用聞きの煙管屋。
勝太郎は、悪仲間と、お初を手籠めにしようとして、逆にひっぱたかれた。
勝太郎が、花衣の供養をしようと、言い出して、清之助をひっぱりだした。
お初もひっぱりだされた。
熊吉が(岡っ引き)が小者をつれて行ったが、誰もいない。供物があるだけで。
鬼勘はしらない。
3人がかどわかしにあった。「今夜5つ半(9時ころ)千両箱二つ、分け花菱の寮へ届けること。付添人は、伏見屋の娘。おこと、金を運ぶものは、寮番の伍助のほか、手代一人。
差出人は、お化け女郎」
新八郎亜、伏見屋の父に聞いた。
東叡山にきたから、東叡山の話。「親しくしている僧が言った。足りない分は、寛永寺が用立てる」
住吉屋へ、夕刻になって、寛永寺から金が届いた。供僧が運んだ。ついていった。
しかし、寮で、頭巾をかぶった男たちと、人質を返す、返さないで、争いになった。
そのとき、寮のまわりから花火が。捕り方たちが囲んだ。争いになった。三人の人質を助けた。子の一味は、夏中、江戸を荒らしまわった盗賊で、盗んだ金は、5千両に及んだ。
賊は、妙法寺を隠れ家にしていた。
新八郎の推理。伍助の持ってきた文。線香のにおい。寮のすぐそばに妙法寺がある。三人は、そこに隠されている。それで、捕り物が始まるとすぐに、大久保源太と手下が、妙法寺にに飛び込んだ。
勝太郎の証言。
供養とは名ばかりで、清之助とお初を呼び出して、痛い目に合わせようと思ったが、逆にやられた。その事件を、賊が見ていて、かどわかされた。

6・金唐革の財布。
川越の隠居,十兵衛。木更津から江戸へ向かう船の中で、すばらしい金唐革の財布を持った侍にあった。侍は、有馬備後の守久保の家中で、用心を務める、万谷又蔵と言った。
十兵衛は、自分も金唐革の財布を買ったばかりで、興奮していたので、話を合わせた。自分の財布も見せた。木更津の唐物やで、買ったばかりだった。
跡で、会おうと約束して別れた。そのときには、ほかの骨董も、と言った。
後日。全財産の骨董をもって、有馬備後の守の下屋敷に行った。
侍が出てきて、奥方が来ているので、隣の寺で待っていてくれと言った。骨董は、中で預かると言われた。
どこにでもあるような、とっくりと茶碗を出したので、変だと思った。後から考えれば。
夕方まで待ったが、来ないので聞いた。すると、万谷又蔵は、下屋敷には来ないと言われた。奥方なんぞ、もってのほかだ。
後日、新八郎が行ってみると、又蔵は70歳の老人だった。十兵衛は言った。40才台の小太りの男だと。詐欺。門番に聞く。家を間違えたと言って入ったが、すぐ出た男がいた。
風呂敷を担いでいた。そいつだ。
十兵衛には弟がいた。度々、金の無心に来たが断っていた。
十兵衛が殺された。薬研堀の船着き場の坊杭にひっかかていた。
新八郎の推理。
そば屋で、十兵衛は、木更津の唐物屋に、金唐革がると聞いて買った。おまけに、木更津からの船に乗った。そういうことを知っているのが犯人だ。身内なら、よく知っている。身内で、金に困っている者が、絡んでいる。
さらに、有馬様の下屋敷に詳しい者、中年で小太りの男が仲間にいる。
十兵衛の弟を調べる。碁会所を開いていた。そこに、有馬備後の守の中間をしていた男が来ていた。風体を聞くと、例の詐欺男にそっくり。それで、捕縛して、弟の家を調べた。詐欺られた品がごっそりと出てきた。金を貸してくれない兄に恨みを持っていた。
殺したのも弟。兄が気が付いて、争いになたので、川に突き落とした。

7・新堀川慕情。
光林寺の隣、一軒家、枝折戸で仕切られている。上品な侍が、茶屋で一服していた。
土屋采女の守の下屋敷と並んでいる。
神谷鹿之助が、数人の侍に囲まれた。「神谷鹿之助だ」と叫ぶと、「人違いだ」と言って、逃げて行った。誰と間違ったのか?背格好が似ていた?
熊吉に張り込んでもらう。小かんまで、手伝いに行った。侍が時々のぞきにくる。
隣の家は、お涼さん。彼女は、本村町の弟の島田又一郎と会った。その後、泣いていた。
2人の侍が本堂の裏へ。尾行。「今夜がすめば、後がない」
お涼の簪、抱き茗荷。お涼の実家の墓、下がり藤。
麻布に、下屋敷中屋敷のある大名で、抱き茗荷の家を調べる。肥前の守に相談する。
稲垣家からの進物。抱き茗荷。
稲垣家。後継ぎ。妾腹の子。明日、上様に拝謁なさる。←それだ。
稲垣家は、上屋敷が、麻布市兵衛町にある。下屋敷が、白金、田島町、光林寺の近く。
お涼に話を聞く。上品が侍は、自分の子。昔は側女をしていた。琴の音を聞きに来ていた。藤五郎。

7・さいかち坂上の恋人。
神田駿河台。錦小路。石川という旗本、家宝にしている短刀を、札差に取り上げられてしまった。賭けでとられた。内分に取り返してほしい。
札差の娘が石川へ嫁入りし,不縁になって、出戻っている。それへの恨み。
旗本の当主、八十の助(34歳)。
大久保源太に聞く。
板倉や甚平衛について。蔵前に4件ある板倉や。その中で中くらい。八十乃助がお道を見初めた。でも、姑との折り合いが悪い。
石川家へ、こっそり行く。姑がいて、ひどく怒られる。
肥前の守に話す。昔、隣で、美人だった。調べる。お道が、寮で男と密会しているとの噂。張り込む。来たのは、八十乃助だった。こっそり短刀を返した。お道とはよりを戻した。
御後家さまは、隠居して、水戸へ移住させられた。

今週面白型ドラマは「モンスター」
ある病院。院長に暴露ファックスが来る。村上医師が前の病院で医療ミスをした。
さたにもう一通。安藤医師は、薬品会社と癒着して、裏金をもらっている。
院長は、安藤医師を査問委員会にかけようとしている。
2人は、互いが告発されようとしているのは、互いに知っている。
さて、翌朝、8時から12時まで。安藤は手術。とちゅう、5分だけ、指をけがしたので、止血のために中座。で、1時。講義を終わった村上は机の上に、配達された封書を発見。その中に、血の付いたナイフ。次はお前だの文字。例のファックスのことを知っていた村上は、安藤が院長を殺したのだ思って、同僚に捜査を頼む。いや、その前に、刑事の西園寺が、血の付いたナイフをハンカチで触って、それをポケットにしまっていた。
で、捜索すると、裏口の倉庫の前で、院長が刺されて殺されていた。死亡推定時刻10時から12時。
例の血の付いたナイフが、ポストに入れられていたのが、11時。ちなみに、その時点で、そのナイフを警察に渡して、DNA鑑定してもらったら、院長の物と一致。
となると、このナイフで、院長を刺したのは、10時から11時。
で、容疑者。まず、安藤。手術室から現場まで往復は7分半。無理。
さて、Aは、村上が10時に現場に行ったのを見たと証言。村上の証言。10時に、裏門の倉庫の前の物陰へ来てくれ。と院長からメモをもらった。でいった。でも、殺してない。
さて、刑事、平塚は、裏門の倉庫の前へいく。物陰がない。
そうこうしているうちに、配達のトラックが来る。運転手の話。毎日来る。例の事件のあった日、10時半に死体はなかった。1時に、治療を終えて帰った。それで、トラックの物陰だとわかる。
さて、ナイフの血を触ったハンカチのDNAに疑問を持った平塚刑事は、それを調べる。すると、安藤の血と一致。それで、からくりをサトル。
まず、安藤は、けがの止血をすると行って、中座し、新しいナイフに自分の血を付けて、村上のメイルボックスにいれた。それなら5分で十分。そして、12時に手術を終わって、すぐに院長を殺す。そして一時。村上が講義から帰って、脅迫状とナイフを発見。大騒ぎとなって、全員が捜索している間に、血の付いたナイフを袋ごと本当の殺人を犯した物と変える。これで、犯行時間は、10時から11時と限定され、安藤には絶対のアリバイができる。
感想。すごい面白かったわ。最初はおたおたしていてすぐには警察に渡さないという人間心理をついていて、超面白かったわ。

一週遅れだけど、次週のは、次回。

二週間ぶりにカムバックしました。入院中は、炊事洗濯、掃除、一切なかったので、ひまで、ひまで、本を8冊も読んでしまいました。料理はまあまあだったかな。塩分制限が6グラムとあるので、栄養士さんも大変でしょう。家に帰ってきて、最初に食べたのが、赤いきつね。おいしかったわ。日本のミシュランは、赤いきつねだよね。