御宿かわせみ、13・鬼の面

御宿かわせみ、13・鬼の面」(平岩弓枝
1・夕涼みの女
かわせみに泊まっている伊之助が3ケ月ぶりにおすみの家にあいにいった。おすみの母親のおくらに声をかけられた。すると、ちょっとまえにおすみは死んだはずだと言われた。
そのとき、打ち上げ花火が。少し見てから中に入った。中には線香のにおいが。
でも、伊之助は、さっき、おくらに話しかけられる前、おすみがそこにいるのを見た。
花火をみている間に消えた。伊之助は、新潟チジミの折の家の息子。二人は結婚が決まっていたが、おすみは乗り気ではなかった。
父の吉蔵は、お化け屋敷で、生首などを作っている。
で、東吾が調べてみると、葬式を出した形式がない。そのことを話してみると、一ツ橋家に奉公に出していて、そこで皆やってくれたという。
新八郎は、父の仕事を調べるために、お化け屋敷に行ってみた。
すると、中におくらがいた。そしてうっかりと、娘と一緒に働いているといった。
それで、嘘がばれた。おすみは、雪深いいなかで、両親につかえるのがいやで、死んだことにしてくれと言っていた。それで、母がうっかりと死んだと言ったので、すべてをそれに合わせた。

2・大川の河童
長介の情報。大川で船がひっくり返った。乗っていた人は、船頭が助けたが、河童がやったと言っている。乗っていたのは、千石やの連中。利息が高い上に、コメの買い占めをした。評判悪い。
長介の新しい情報。また河童。今度は死人が出た。船頭の話。女は助けたけど、男は駄目。芸者のおとよと洪庵。死んだのは洪庵。
洪庵はケチ。
東吾は調べる。おとよのとこへ行った。納屋に住んでいた。父が労咳。大金を払って、(自分が芸者になって)洪庵にかかっていた。洪庵は治ると言ったのだが、ダメだった。
次は母。金がないので、来てくれなかった。そして今度は弟まで。
弟が泣いて白状した。姉を手籠めにした。なので、自分が河童になって、洪庵を沈めた。船頭は、金を払って、黙っていてもらった。

3・麻布の秋。
麻布へいった。麻の布を織っている家がある。おすずが一番。なのに嫁にいけない。
その家で虫の音を聞く会があった。おすずが数匹分けてくれた。かわせみへ帰った。おすずが話があると言って、来て止まった。
岡っ引きの千五郎がやってきた。千五郎の話。おすずにはかけおちした母がいた。10年ぶりに帰ってきた。それで、おすずはいずらくなって出てきたようだ。
品川の紅葉月夜、一夜芸者になった母。好きな男ができてしまった。
父は娘を捕った。なので、母は出て行った。

4・忠三郎転生。
天野宗太郎に、宗次朗、宗三郎という二人の弟がいることが判明。
宗次朗は、今大路家に養子に行っている。ところで、病人のある家が狙われるという強盗が続いている。
寮に病人が寝ている。その病人が悪化したと言って、主人が出た隙に、女中たちを殺し、金を奪う。金のありかを知っているように、仕事が速い。林芳春の家が襲われた。
そこでの話。医者夜来た。芳春の診察に。そこで、門を開けて、皆殺し。甕の3千両を奪われた。
東吾の推理。
賊の中に、顔を見られては困るやつがいるので、皆殺しにするのだろう。そして、前に、何回か来た。もしhくは、医者の話から、金がどこかに隠してあるかを知っているやつが仲間にいるので、仕事が速い。
芳春の医者は大川参斉。彼に話を聞く。芳春の家の話をしたのは一回。自分の弟子のいるところでだった。3人ともちゃんとした家の出だから。もう3年から10年修行している。賊のはずがない。
弟子の名。伊藤甲斐。岡崎洋二郎。山中友の助。二度目に襲われた京丸屋に行ってみる。
千両盗まれた。名川周庵と医者に、隠居はかかっているた。水戸家へ出入りしている医者。
若い医者(水戸出身)が弟子にいる。
新八郎は思い出した。
江島屋の一件。娘の婿が盗賊だった。そのときのドン。忠三郎は、取り逃がした。京丸屋が言う。
自分の医者は、伊藤甲斐。彼が忙しいときは、岡崎洋二郎(ひげずら)が来る。
二件目、三件目、二軒とも、一件目と同じ、岡崎洋二郎が来ている。
藤吉が行く。一件目の岡崎は髭面。彼は忠三郎に似ていた。
かわせみに行く。すると、宗次朗と七重が、駕籠で迎えに来ていて、そのままどこかへ行った、と聞かされる。
2人にきた手紙を宗次朗が捨てていた。
「二人は預かった。岡崎洋二郎」
嘉介が跡をつけた。
東吾は大急ぎで、水戸家下屋敷へ行った。途中、仙台堀のあたりで、嘉介が切られていた。水戸の下屋敷へ行ったと言う。そこへ行く。
七重の言い残したことからわかって、麻布家から捕り方が来ていた。
そこで捕り物。忠三郎が捕まった。蔵の中で、宗次朗は、オランダ渡りの毒の本を翻訳させられていた。由比正雪の事件を真似する気だった。宗次朗は七重と結婚する。

4・雪の夜話。
東吾は七重の結婚の席で、かなり酔った。帰る途中、女が橋から飛び込もうとしていた。
助けた。ちょうどそこへ女中・おそのがやってくる。小梅村まで行った。
その寮で、酒が出て、女にしなだりかかられて、関係を持ってしまった。
その後、駕籠で送られてきた。
八丁堀のかなり前で下された。
その夜の女中の話。お嬢様(お久麻)は、結婚したけど、初夜に夫を拒んで、返されてきた。
さて、翌日、その家を探したが、みつからない。
本法寺の近く。旗本屋敷が多い。隠居所は11軒。半分は人が住んでいる。娘のいる家はない。
家に帰ると、七重の友達の話が出る。
清水琴絵という。婚家から返された。小さいころにいたずらされたトラウマ。
それだ。
清水という旗本はあった。解決。訪ねていった。絶対に人に漏らさないと言った。彼女は、昔から東吾が好きだった。

5・鬼の面。
節分の日。鬼の面をかぶって、大騒ぎだった。
翌日、殺人事件。蔵の長持ちの中に死体。
喰馬町の麻布問屋。信濃屋の主人。吉三郎。
前夜、和助が来ていた。女中たちはみないう。和助が犯人に違いない。
一人娘のお春の婿になって、子供まで生まれたのに、離縁して、信州へ帰ってしまった。
松坊の話。
鬼やらいが通った後、中へひっこんだら、赤鬼の面をかぶった男が蔵から出てきた。
それでますます和助に嫌疑がかかったが、本人は頑固に否定。
それで、とうごは、主人、吉三郎の周囲を調べる。すると、根岸に妾を囲っていた。
最近、男ができたので、分かれるで、もめていた。昨晩は、鬼やらいの最中、姿が見えずに、帰ってきたときは、転んだとかで、髷が崩れていた。それですぐに風呂に入った、と女中の話。
妾は女にしては背が高い。
東吾はピンときた。妾が犯人だ。
髷をくずして、男に変装して、鬼の面をかぶって、主人を殺した。その後、男の服は大川へ捨て、元の女の服を着たが、髷だけは結えなかったので、崩したまま帰った。