横浜殺人事件

「横浜殺人事件」(内田康夫
横浜、金沢八景の金沢山の頂上、八角堂で一人の男が死んでいた。名前は浜路恵一。毒物による中毒死。缶コーヒーに毒。
娘は、自殺するような原因はないと言った。彼は前の日、近くのホテルニューパレスに泊まっていて、そこのキーを持っていた。
そのホテルに行って聞く。掃除のおばさん。輪ゴムの大きいのが落ちていたと言った。警察は自殺と断定。
話は変わって、横浜テレビ。「TVグラフィック24」という番組。キャスターの山名めぐみが連絡もなく欠席。心配になって、スタッフが行ってみると、殺されていた。絞殺。鍵を開けたこと、争った形跡がないことから、顔見知りか?
浅海は、横浜の取材で、「TVぐら24」のスタッフに会った。そして殺人事件の話を聞き、「皆さんの中に犯人がいる」と勘で言った。すると、小林ディレクターが動揺した。
のちに訪ねてきて、自分は、めぐみと付き合っていた。殺された日の9時に分かれたと言った。でも、決して殺してない。死亡推定時刻は、深夜1時過ぎ。
めぐみは、殺される前に、「赤い靴はいてた女の子」について取材をしていた。その中にヒントがあると思った浅見は、その日のビデオをカットした分も含めて見せてもらうことにした。
すると、ベンツに乗った男が、インタビューの途中で急に不機嫌になっていた。その質問は、「赤い靴はいていた女の子は、どこへ行ったと思います?」というものだった。
浅見は、その男が、たまたま赤い靴はいてた女の子を誘拐したんじゃないか、と推理。警察に、どこかで誘拐事件が起こってないかを調べてもらう。すると、埼玉で起こっていたが、犯人は挙がったと言われる。これは間違いだった。
浅見は、赤い靴の童謡を思い出した。すると、どうしても、「青い目をした人形」がでてきてしまう。それで例のベンツの男も、同じ勘違いをしたのでは、と推理。
さて、次の日、刑事と一緒に、金沢八景の殺人事件の現場へ行ってみる。何か遺留品がないかと、うら道を下ってみると、どこかで見た景色の町へ出た。それは、例のベンツの男が、いた場所。
それで、浅見は、ベンツの男が、浜路の殺人事件に関係あるのでは、と思い、ナンバーも写っていたので、名前を調べてもらう。
さて、浜路の娘から、電話。殺された父のメモ。殺される二日前。「外人墓地の門から北へ100歩」
さて、例のベンツの男は、渋谷の大迫良助と判明。
浜路の家に上司の松井が来る。遺書らしきものがあったという。
浜路の娘はそれを浅見に伝える。浅見は警察に頼んで、見せてもらう。
「セイラさんを傷つけてしまって、申し訳ありません」と書いてある。
それは、詫び状ではあるが、遺書とは言い難い。浅見は、外人墓地へ行って、門から100歩北へ歩く。しかし、気象台の中で、入れない。
困って、周囲をぶらぶらしていると、人形の家がある。中へ入る。すると、解体された西洋人形がある。ジュモーのやつ。その中心に例のゴム輪がある。それで、「セイラさん」が西洋人形の意味であると察知。
つまり、浜路は、何かの事情があって、西洋人形を分解して運んでいて、傷つけてしまったのでは?と推理。
しかし、殺された場所には、そんな人形はなかった。なので、犯人が持ち去ったと推理。
浅見は、再度、金沢八景へ行く。そこで宮田弁護士に会う。彼は「TVグラ24」のキャスターでもある。そこで二人は、打ち明けて、話をする。
宮田はいう。岡松物産の会長夫人から、セイラという名の、ジュモーの人形を探すように頼まれている。さらに、殺された浜路は、岡松物産の庶務課に努めていた。岡松物産では、創立100周年の記念行事で、ジュモーの人形を飾る企画を立てていたらしい。しかし、消えた。それで、探してほしいと。
その後は浅見が推理。
そのジュモーの運び役で、浜路は抜擢されたのではないか? しかし、その企画をした男は、その人形を誘拐して、1億円をゆすり取る計画を立てたんじゃないか。それが、例の、「外人墓地の門から100歩北」。そこへ隠したんじゃないか。
その後は、また宮田が推理。
実はこの企画者は、谷本精一。バーさんの甥っ子。そして、その運転手が大迫。
大迫と谷本は、浜路を殺して、人形を奪った。さらに、大迫は、浜路を殺した後に、めぐみにたまたまインタビューされた。「赤い靴はいてた女の子」の言葉、これが「青い目をした人形」に結びついた。それで、めぐみが何か知っていると思い込んで殺した。
浅見は、外人墓地の件を宮田に話す。宮田は、外人墓地は、ほかにもあるという。浅見たちは探し出す。それで、谷本と大迫を罠にかける。
さて、岡本物産のバーさんの家に、一億円脅迫の手紙が届く。バーさんは、一億を出すが、罠にかかった二人は捕まる。

今週の「モンスター」
水沢村でカナがリサイタルをひらく。カナの元へ脅迫状が届く。「水沢村へ行くと、たくさんの人が死ぬ。この水が証拠だ」濡れたガーゼが入っている。それには、20年前、水沢村の工場から盗まれた毒物が含まれている。
20年前の事件。少年Aが誘拐された。工場への脅迫状。運び人はB巡査。小屋のなかで殴られて、身代金は奪われる。小さな穴しかない。犯人は、周囲を囲む警官の包囲網を抜けて、川へ。ボートの中。少年を置いた場所を書いた紙。少年、発見された。身代金も毒も未発見。そのすぐ後、少年とカナのいた養護施設に立派なピアノが送られてきた。
カナは次の年、C審査員に認められて、ピアニストに。Cはすごい借金を抱えていたが、この事件の後、払った。
さて、今回、カナが少年A(今は巡査になっている)にささやく。「助けて」
カナはパトロンDに結婚を迫られていた。そして、迎賓館の歓迎ぱーてぃの前、カバンの中に、剣山。けがをして、指輪に血が付く。それからパーティ。そのあと、Dが殺されているのが、隣の部屋で発見される。死体の下に、カナの血の付いた指輪。それから、カナのカバンが盗まれた。しかし、その中に入っていたネックレスをカナはしていた。
それで、バッグを探す。林の中にすててあった。中に血の付いた指輪も。
それで、平塚の推理。犯人はカナ。Dが嫌いだった。まず指輪は二つ。血の付いた指輪は盗まれたと思わせれば、自分のアリバイははっきりする。容疑者から逃れられる。
それから、刃物に20年前の毒物。それも、送られてきた毒を取っておけば、可能。
カナは認める。
しかし、バッグを橋から捨ててしまえばいいのに、わざと目立つ林の中に捨てたのに気づく。真犯人はほかにいる。そして、カナはその人をかばっている。
さて、警官Bが小屋の近くで倒れている。これをAと青年団が発見。青年団を呼びにいかせて、Aは周囲を探索。Bは背中を刺されていた。そのナイフには、又20年前の毒が。
そして、脇には、お湯の入ったポットが。で、平塚は店へ聞き込みに。すると、女将が言う。B巡査はポットにいつも、お酒を入れていた。それがすり替えられた。
なぜか? 誰がやったか? できたのは、Aしかない。
で、平塚の謎解き。まず、Dを殺してのは、A.動機は、カナがDを嫌っていたから。結婚を妨げるため。では、なぜ、カナに罪をかぶせたか。
それは、カナが小屋の小さな穴に気が付いて、20年前の真相に気が付いたから。それを、B巡査に話させないため。で、B巡査を殺したのは、なぜか。B巡査も、例の小さい穴から、Aが犯人だと気が付いたから。
で、20年前の真相。犯人はA.自分で毒を盗んで、狂言誘拐。そして、例の小さい穴をくぐって、金を奪った。それをCに送って、ピアノを買わせた。
で、今回。B巡査のポットに少量の毒を入れておく。それを飲んで、倒れたB巡査を死んでいると言って、青年団を追い払い、毒の付いたナイフで刺して殺す。ポットを湯と変える。ポットに毒が入っていたら、いつも一緒にいる自分が疑われる。そして、犯人だとわかってしまう。
感想。ちょっと金田一っぽくて、おどろおどろしくて、面白かったわ。小さい穴が出てきた時点で、A少年が犯人だとわかったけど。

追伸。いよいよ選挙ですねえ。この前も書いたけど、私は民主。だって、民主は介護には金をだしているもの。自民は、ダムとか作って、自然を壊すだけ。建設業者が潤うだけだもの。今の不景気はリーマンショック以来だから、だれがやっても、難しいと思うの。長期で、介護とかに金を出さないと。それに、高校の無償かとか、いろいろとやっているのよ。絶対に民主だわね。