ナナフシの恋

「ナナフシの恋」（黒田研二）
この人は、軽くて、サクサク読めて、デビューから大好きなんだよね。これにも、大事な恋のことが、ほとんど占いとかおまじないで決めてあって、唖然としてしまうんだよね。
筋。ある中学校。真帆が校舎の三階から飛び降りて重体。ケータイがどこかへ消えていた。そして、夏休み。６人の級友が真帆のケータイから呼び出しのメールを受けた。
もっとも、真帆は引込みじあんで、真帆とメアド交換していたのは、６人だけ。でも、真帆は意識不明の重体。となると、真帆の代わりに呼び出した人がいる。それは誰？　なぜ？
沙耶は真帆からのメールで、夏休みの教室にくる。「明日、一時、私たちの新しい教室で待ってます」
２５日前、真帆は３階から飛び降りた。
次に来たのは、冬麻。彼はもてる。
次は結衣。次は瑠奈。彼は昔、冬麻と付き合っていた。最後に来たのが大機と昌兵。
大機は柔道部。乱暴者。昔、母の浮気相手を殴って死なせたことがあるらしい。
去年も、星野をぼこぼこにした。その後、星野飛び降り自殺。
真帆のメアドを知った理由について。
メアド占い。誰かと相性がいいかどうかを調べる。別な人は、親戚だったとか。また別な人は、クラスの行事で頼みごとがあったとか。いろいろ。
さて、真帆は、印象の薄い子だった。修学旅行の時、集合に遅れたのに、クラスの仲間は、学校に帰ってくるまで気が付かなかった。
その真帆が誰かを好きだったらしい。６０６時間まじないというのがある。ペンダントに相手の名前を入れて書いておくと、６０６時間後にかなう。何かを書いて入れてあった。６０６時間後というと、２５日、６時間。まさに今日がそれ。
真帆のそのペンダントから出てきたのは、「大機君、私があなたの心の中心でいられますように」の文。
大機の告白。あの日、真帆に、３階で、好きと打ち明けられた。しかし、俺は瑠奈が好きだった。そういった。
さて、同じ日の、同じころ。冬麻は昔付き合っていた瑠奈と３階からよく見えるところで会って、キスをしていた。
冬麻は別な女の子から呼び出しを受けた。瑠奈は真帆に頼まれた。
そのキスを大機は見た。絶望した。そこへ真帆が飛びついた。大機は振り切った。真帆は窓から下へ。自殺か、否か？