ぼんくら上

「ぼんくら上」(宮部みゆき
1・殺し屋がきて、兄さんを殺していったんです。江戸深川の鉄瓶長屋で、八百屋の太助が殺された。妹はこう訴える。しかし、夜、橋のたもとの番人のそばを通った人はいない。その夜、評判の良かった差配人が姿を消した。
煮売り屋のお徳は、寝たきり老人のことを巡って、兄弟げんかをし、妹が兄を刺してしまったと思うようになった。

2.本所方の同心、平四朗がやってくる。27才の差配人がやってくる。大家の遠縁で、元植木屋をやっていたらしい。皆は、こんな若さで務まるかと心配する。
博打うちの権吉が10両の借金をつくる。そのカタに、妹のお律を連れに来る。差配人の一言、「父親の犠牲になることはねーや」でお律は家出。

3.迷子がやってくる。差配人が面倒をみる。迷子の探索をする。牛込の古着屋で、迷子の申し出が出ている。その子の母は死んだ。ある古着屋の手代。う衛門が名乗り出た。昔つきあっていた女の子ではないか。でも、今は、自分は番頭になっていて、妻子もいるので、引き取れない。結局、迷子は、差配人が引き取ることになった。

4.おくめという女が引っ越してきた。女郎をしている。

5.弥助がツボを拝み始めた。そして、ある日、一家が夜逃げした。

6.隠密廻り同心(姿を隠している。どこに住んでいるかも不明)通称、黒豆、に新差配人のことや、大屋のことを調べてもらう。
新差配人は、大家の妾の子供だった。かわいがられていた。しかし、お内儀からは疎まれていた。そして、ある日、妾が出て行って、死んだ。(子供にはそう伝えられた)。それも、店の金を盗んで。
そ乃後。新差配人は、植木屋に奉公に出された。大家の湊屋は、女好きで、ほかにも子供がいる。鴉の官九郎というのを飼っている。そういえば、新差配人の家にも鴉がいる。その外の子(女)からもらったか?
岡っ引きの仁ペイがうろついている。それを調べる。おでこという子供が来る。昔のことを教えられて覚えている。
湊屋は、昔、お茶やに奉公していた。派閥争いで、負けた男がいる。それが仁ペイだ。
仁ペイを呼ぶ。仁ペイの証言。湊屋は、この長屋を空にしたくて、画策している。ツボを売りつけ、夜逃げさせたのは、湊屋だ。

今週面白かったドラマは、温泉再生の奴。
筋。洞爺湖のホテルサンプラザの社長が再婚をする。娘が三人いる。三人は、財産をもっていかれるので、結婚には反対している。結婚式で、新しい妻がヒ素で殺される。三人の娘に嫌疑がかかる。ヒ素は、新婦が飲んだ夫婦茶碗の女性用に入っていた。誰もいない時間があった。しかし、ヒ素の入った容器が隠してあって、それを包んだハンカチについていた汗(DNA)は長女の夫の物だった。
長女の夫が警察に呼ばれた。夫は否定したが、動揺している。一応釈放される。その後、夫は、遺書を書いて、湖で自殺。夫について調べていた温泉再生一団は、夫が経理をまかされていて、使い込みをしていたんじゃないか、との情報を得る。
夫の任されていたのは一年。その間の経理のパソコンの資料がなくなっている。
一方、温泉再生一団は、公文書から、夫の筆跡を集め、それから薄い紙でトレースすれば、遺書を偽造できることを発見。
その一方で、温泉再生一団は、野菜のコンテストを開いて、どこの農園の野菜を採用するかを投票してもらったり、ぷーるを改装したりする。
さて、温泉再生一団の長は、新婦が25年前の前婦の誕生日の写真を整理していて、何かを発見したことを聞く。それで、その写真をみせてもらう。すると、娘三人がおにぎりを作り、席を外した15分間に、おにぎりがヒ素入りの物と変えられていたことを発見。かけていたハンカチの場所が変わっていた。
それで、25年前に、この家に自由に入れた人を探す。それは、昔からいる経理
それで、こう推理する。昔からいる経理は、25年前から使い込みをしていた。それを前夫人に見つかって、殺した。今回、それを、新婦に見つかって、殺した。
長女の夫のDNAがヒ素容器を包んだハンカチについていたのは、長女の夫を使って、そのハンカチを盗ませたから。そして、遺書を偽造して、殺した。
感想。温泉再生と殺人事件がからまって、スピーディで面白かったわ。