オチケン探偵の事件簿

「オチケン探偵の事件簿」(大倉崇弘)
この人は、ものすごくよく調べている。前のペット探偵の時もそうだった。特に落語に関sしては、好きなのか、ものすごい知識が広い。そのせいで、面白い物も、そうでない物もあるのだが。この本に関しては成功している。
では筋を。
第一話。オチケンに越智健一、通称オチケンという男がいる。三人しかいない部なんだけど使い走り。彼のいるのが、学同院大学。そこには岸という名人がいる。そして、ライバルの千条大学。そこは、四年に一度の学生落語選手権で、3連覇している。今度、四連覇がかかっている。これはすごい大会で、優勝すると、プロから声がかかるほど。でも、岸が目の上のたんこぶ。
千条大学は金持ちで、落語研究会専用のホールをもっている。そこで、今度、千条寄世をするので、岸に招待がくる。実は、これが策略で、学生選手権の審査員がトリになっている。そして、岸はその前座をやらせる意図。でも、そうとは言わない。実は、前座は20分で終わらないと、その審査員が怒る。でも、前座でない人は30分。で、岸は、その審査員が前座の人の時に、舞台のそでに行く癖を知っていたので、しゃべり始めて急きょ、30分のネタを20分のに変えた。よく似たネタがあったので、可能だった。それで、その審査員は怒らせずに、選手権で岸に入れてもらえるようになった。でも、まだ選手権は先なのでわからない。
さて、千条のオチケンには女性が3人いる。二人は休部。
あ、言い忘れたけど、キャラ設定とか、言葉のやりとりとか、西尾維新風で、劇画的で、とてもいい。作者はあ何かをつかんだよね。
ところで、千条大の新聞部に荒木という男がいる。スクープばかりを狙っている。
千条のオチケンは男子部と女子部に分かれていて。男子部は100人くらい、女子部は3人しかいない。なのに、両方とも同じくらいの広さの部屋(100畳くらい)を使っている。男子部は超狭い。
で、ある日、オチケンは、この千条の女子部員から相談を受ける。男子部員とラブホテルから出てきたところを、荒木に写真にとられてしまった。これを発表されれば、女子部は廃部になってしまう。何とかしてほしい。
で、越智は、色々調査して、(長くなるから省くけど)フタナリという落語がヒントになって、なぞを解く。(この落語は超面白いので、ぜひ読んで)。
で、謎解き。
実は、その女子部員は、男性部員が女装をしていたものだった。彼は、女子部を存続させたがっていた。で、変装するとき、いつもラブホテルを使うので、たまたまとられた。
で、廃部になりかけるが、新たに三人の女性が入ってきて、それは免れた。
もう一話入っている。こっちは、廃部にされそうになった三つの部が、学長一派と戦う話。落語がヒントになっている。でも、よくわからないので、読んで。無理に落語とくっつけるようとしているような感じ。でも、会話は超面白い。