ヒートアップ

「ヒートアップ」(中山七里)
この人は、蛙男からのファンなの。今回のは、麻薬取締管の話。
文調が前とはすごい変わって硬質な感じかと思ったら、最後は、すごい派手なドンパチ。でも、どちらもツボにはまっていて面白い。
筋。七尾は、麻薬取締管の中では、検挙率一番。そのはず、麻薬の利かない体質なので、平気で囮捜査などに潜入して、麻薬を打たれる。そのとき、入れ歯にGPSを仕込んでおいて、仲間が乱入する。それで、現行犯逮捕する。
そんな七尾に宏龍会の幹部の山崎が、協力を申し出てくる。
ヒートという薬物がある。ドイツ、スタンバーグ社が開発してもので、これを打つとスーパーマンにでもなったような気分になって、7人でも8人でも平気で殺してしまう。腕が折れても平気。渋谷で不良少年たちの抗争に使われている。
タンバーグ社は、埼玉の福島町の工場を消失し、日本から退去、研究員たちも日本から脱出。数キロが残っているのみ。売りさばいているのが仙道。広龍会は幅広い情報網をもっている。けーさつの中、麻取の中など。それで、売買の情報をつかむ。七尾と山崎は踏み込む。一回は、ヒート打った少年に半殺しの目にあう。一回は、取引が流れる。七尾は上司の篠田に相談し、山崎との協力を認めてもらう。
さて、ある日、仙道の隠れ家を発見との情報が入る。広龍会が5−6時張り込み。麻取が6−8時張り込み。8時に踏み込んだときは、仙道は殺されていた。殴った鉄パイプに七尾の指紋がついていた。
七尾は逮捕される。しかし、護送の途中に、雪道、山崎に救い出される。山崎は、自分たちで真犯人を探し出さないと、警察では無理と判断。
2人は、昔のスタンバーグ研究所へ身をひそめる。
そこには、元研究員の本田がいる。彼も山崎もヒート独占をもくろむ。七尾は解毒剤開発をもくろむ。
しかしグーグルを調べてみると、周囲には自衛隊の化学課とアメリカ軍がいる。
どういうことかさらに調べてみると、ヒートのサンプルを集めたので、跡は、ヒートを700度の熱で無力化するためにナパーム弾を落とす気らしい。
その辺は、ヒートに汚染されていて、野犬が狂暴化している。二人も襲われ、イングラムでやっつける。
そうこうしているうちに、戦闘機が近づいてくる。三人は車を残してきたところまで、走って逃げる。その際、一人を囮にする。七尾にヒートを打つ。七尾はスーパーマンになったような気になって、襲ってくる野犬をかっさばいて、他の二人がイングラムで撃って、逃げる。後ろからは、ナパーム弾の火で焼かれそうになって、やっと脱出。
後日、七尾は、上司の篠田に、仙道を殺した犯人はXXだと話す。
それは、情報をいち早く手に入れられる人。さらに、裏口が二つあると知って、片方だけにはりつくように命令できた人。動機は、娘がヒートの巻き添えになって、今も植物状態でいるから。