弁護士探偵物語、天使の分け前

「弁護士探偵物語天使の分け前」(法坂一広)
10回、「このミス」大賞なのだとか。この賞は、専門家が好きなんだよね。この本は弁護士が書いたもの。
「殺した記憶はない」と母子殺害事件の容疑者・内尾はいった。裁判のありかたを巡って司法と検察に異を唱えたことで、弁護士の「私」は懲戒処分を受ける。復帰後、事件の被害者の夫・寅田が私の前にあらわれ、私は、再び、違和感を抱いていた事件に挑むことに。
{私}は佐藤笙子の離婚裁判を引き受けていた。夫が家計費を入れない。夫は、ポモドーロの作り方に文句を言っていた。さて、家に帰ると、寅田がやってきていた。寅田とはなしているうちに、内尾は当時、精神病院に通院していたことが判明。分裂病。事件発覚は、公衆電話からの通報。内尾はしていない。現場から公衆電話は一キロも離れていた。
誰が? 内尾は、自分がやったとしか言っていない。でも、混乱していて、誰かに殴られて気が付いたら、現場にいたとも言った。
内尾の入院しているA精神病院にいく。今村という男が弁護士を探していた。彼はA精神病院の中で結婚し、妻が死亡。保険金6千万が入ったその。通帳は病院に預けられている。さらに、看護師がやさしいので、死んだら、自分の財産(かなりある)はA精神病院へ寄付するという遺言状を書こうとしている。それも、病院から勧められたのだ。
さて、今村の言に不審を覚えた私は、今村の妻の死について調べる。昔の新聞を調べると、B事務員の姉が間違えて注射をしたので、死んだと出ている。姉は、その後自殺。
で、看護師仲間に聞くと、3ミリを注射と書いてあったのに、30ミリを注射したというのは、おかしいという。3ミリが一パック。30ミリと言ったら、10パックも注射しなければならない。このころ私は、A病院が薬の横流しをしていたことを探り出す。
それで、B事務員の姉は、それを告発しようとして、ころされたのではないか、と推理。
さて、一方、その横流しされた薬は、弁護を引き受けている佐藤が扱っていた薬である。
私は、佐藤のアパートへ行く。すると、佐藤は殺されていた。これで、佐藤が薬の横流しをしていて、バレて、殺されたと推理。では、手を下したのは誰か?
そんな頃、私の前に、ショウコと名乗る女が現れる。しかし、彼女はポモドーロを知らない。それで、偽物だと推理。
さらに、今村が遺言を書く前に、救い出さないといけない。それで、ボヤを起こして、強引に今村を救い出す。今村は、たくさんの古い写真をもって出てきた。それを見ると、ショウコと名乗る女は、院長の姪。
さて、廃屋で追いつかれた私は、院長に殺されそうになる。しかし、そこで、院長を殺したのは、ショウコ。彼女は私まで殺そうとする。どうする私?

今週面白かったのは、BSの「殺人容疑者の妻」
Aが殺される。B(友達)が車で着ていて、逃げていく男(C)を目撃。そのとき、車のナンバーを見る。このナンバーからCが割れて、アリバイがないことから逮捕。Cの妻は弁護士のDを呼ぶ。ここでAの兄(刑事)が登場。
Aの兄は、Cの妻と、Bの撮影現場で会う。Bはモデル。AはC(りゅうじ)のほかに、マールと呼ばれる男と付き合っていたと証言。Aの遺留品が警察から帰ってくる。その中に通帳がある。半年前まで半年、50万、その後、30万が三回、振り込まれている。Aがパトロンからお金をもらっていたのでは?と推理。
さて、現場からは指輪と赤い手帳がなくなっている。で、捜査に行き詰っていると、みゅうという女から、赤い手帳が送られてくる。Aの住所に。手紙もある。丸山(不動産屋)と付き合うのは辞めたほうがいいと書いてある。丸山は尋問される。丸山は50万を振り込んだのは認めた。しかし、Aの殺害時間にはアリバイがある。あと、Bが襲われるが、その時間にもアリバイがある。丸山はなかなか逮捕されない。すると、タレコミ電話がある。「丸山の家の植木鉢の中に、Aの指輪がある」
調べるとあった。それで、丸山を逮捕。しhかし、Aの兄は、アリバイがあることが引っ掛かっていた。さらに丸山の家に行ったときに、弁護士のDがいたことを思い出す。そして、みゅうの手紙は横浜で投函されていた。Dも横浜によくいく。それでDが講師をしている大学へいくと、Dはマールと呼ばれていた。それで、Dを逮捕。しhかし、Dは3か月はAと付き合っていたことは認めるが、殺害は否定。
Aの兄は、再度思い浮かべてみる。すると、Cの妻が教えていないことをしゃべったのを思い出す。手紙が送られてきたとは言ったが、みゅうという名前はしゃべってない。さらに、赤い手帳だとも言ってない。それで、Cの妻が犯人だと断定。
ついでながら、Dの電話番号が赤い手帳に書いてなかったのは、6789で覚えやすかったから。
感想。弁護士のDを執拗に写すの。で、すっかり騙されて、彼が犯人だと思ってしまったわ。術中にはまったってところね。