お鳥見女房

「お鳥見女房」(諸田玲子
将軍の鷹狩に使われる餌を育てる役がお鳥見役。その一家の物語。
お鳥見役の組屋敷は、雑司ヶ谷鬼子母神のそばにある。珠世は23を頭に4人の子持ち。そこに、昔、小田原で、当主から「家は広いし、一人住まいだ」と聞かされた源太夫が、5人の子供をつれて転がり込んでくる。
太夫は、ある男を切った。その娘・多津が仇討でやってきて、同じ家に転がり込む。しかし、二人は、しだいに惹かれあっていく。
お鳥見役は、秘密の任務がある。他の藩へ出かけて行って、そこの財政状況、地形、などもろもろのことを調べてくるのである。その任務の最中に、珠代の夫は、源太夫と知り合ったのである。その後、夫は、別人を切り、心と体に深い傷を負って帰ってきた。
太夫の長男が、変な老婆にさらわれる。その日、火事。家族で探し当てると、荒れ果てた寺に、老婆は死んでいた。源次郎はいた。源太夫と多津は結婚して近所へ。ある藩へ士官がかなった。