朱房の鷹

「朱房の鷹」(泡坂妻夫
1. 朱房の鷹
子供が、アユを魚やへ売りに来る。そのとき、水がはねて、鷹匠の一行の鷹にかかる。それで、かなりのかねをせびられる。数日後、二羽のつがいの鷹のオスがお鷹狩の後、頭を殴られて、死ぬ。鷹に暴行を働いた者がいるかどうか、探索があるが、下手人は上がらない。辰親分の推理。鷹は雌がオスより大きい。それで、メスが気に入らないことがあって、オスの頭をぽかりとやったのではないか。それが元で死んだ。
感想。人を食った話で面白い。

2. 笠秋草
10月に入った。イヌの日。若旦那の誠太郎、お茶の師匠の家によくいく。若団の部屋の火鉢に自然に火が入れられていた。火鉢を出した後、火を入れた者はいない。親方の部屋。火の気がないのに、線香のにおいがした。二階で、戸は閉まっていて、誰も入った者はいない。いずれの日も、若旦那は茶の稽古。で、あんまり頻繁にいくので、師匠の所へ問い先日、清太郎は、蚊帳百菊を見ていた。珍しい紋の一覧だ。
色色聞いてみると、清太郎は、吉原に玉水という女がいる。親分が調べる。玉水は情に厚い。その生霊が、例の不審火を付けたのではないか。それを親分は清太郎に話した。それ以降、清太郎は、怖がって、玉水に会いに行かなくなった。
でも親分は別の推理をしていた。お内儀の実家、手妻の道具も売っていた。線香などで、時間差をつけて、誰もいないとこに火をつける。

3. 角兵衛市松
角兵衛市松という着物の柄が流行っている。作ったのは、馬喰町馬場の笹屋。流行らせたのは、大和や、坂東しうか。8月の狂言で着た。その前に、絽の角兵衛市松を買った女将がいた。親分はそれに興味を持って、「私」に調べてくれと言った。私は従う。
女将の話では、新シ橋の古着屋で買った。そこへいく。売り子の話。売った人は知らないが、笹屋の任三郎が作った。任三郎の話。角兵衛という職人が掘った型が残っていたので、染めたらヒットしhた。角兵衛のお得意はいませんでしたか。
日本橋尾張町の後家さんがいた。池の端に住んでいる。私はそこへ行く。広い工房跡地に、角兵衛が一人で仕事をしていた。
感想。よくわからない話。

4. この手かさね
「私」は三味線の師匠の所へ通っている。いい女なのだが、男になびかない。「私」は紋に凝っている。山東京伝が書いた「小紋雅話」という紋の一覧が大好き。ところで、三味線の師匠の小磯が死んだ。昔、夫がいたという話。形見分けをする。私は帯をもらった。山東京伝が書いた「この手かさね」の模様だった。その後、日本橋十軒町、中尾やという糸屋の主人が殺された。彼の本名は、私が吉原で一緒だった一扇という男だった。吉原での一扇の馴染みは雲衣。一扇は家と土蔵との間で殺されていた。財布は取られていない。恨みだと推理。
親分が昔の話をする。20年前、内藤、紙屋の主人、清兵衛が死んだ。3年後、後家のお徳に男ができた。子十郎、芝居もの。子十郎は、のち添えに入って、二代目清兵衛となったが、金遣いが荒く、娘にまで手を出した。それで、内儀に殺された。と思われたが、内儀も娘も逃げた。
ところで、一扇だが、この話によく似ていないか。一扇も噺家からりくののち添えになった。その話を聞いて、りくが白状した。娘に手を出したから殺した。
ところで、親分はもう一つ事件を解決した。20年前。殺された子十郎は、血だらけの手で、内儀の帯に触れた。それがシミになった。それで、「この手かさね」の模様にしたんだ。

5. 墓磨きの怪
墓磨きが頻発している。しhかし墓は暴かれていない。高砂やの隠居の墓も磨かれていた。百箇日のことだった。「私」は、一番最近のことなので、辰親分と一緒に調べ始めた。
隠居は、隠居所に、茶道具をたくさん所有していた。掛け軸なども所有。
近いうちに売る予定。昔からひいきにしていた骨董やがあった。霊ガン島の高雅堂である。
ところが、隠居所に来てもらって、調べてもらうと、500両のツボがない。そのほかはせいぜい5両。
辰親分は、それはもう高雅堂にわたってしまったと推理。辰親分の推理。
高雅堂へは、隠居所の重蔵がこっそり、青磁のツボを売るつもりだった。それは骨壺にして、家から出した。でも、墓を暴くと不審に思われてしまうので、墓磨きということにした。それで、一つだと疑われてしまうので、ちょっと頭の足りない昌兵に少し金をやって、あちこちのハカを磨かせた。

6. 天狗飛び
げんを担ぐはなし。現代人にはつまらない。

7. にっころ河岸
勇次の自白。昔、山の中で、仙人に会った。ヒスイをもらった。捨てられたら困るので、親には内緒。勝の家に行った。したたかによっていた。行燈で見えた。首のない幽霊。横向き。膝の上に頭。母に話したが信じてくれなかった。宝引きの辰と一緒に行った。誰もいなかった。しhかし死体があった。首がとれていた。おやのの首だった。本名はおりつ。武家の奥につとめていた。足軽の光太郎と深い仲になってしまった。暇をだされた。おやの両親は、ふたりを佐久間町に住まわせた。しかしおやのには昔から通じている物がいた。近習の吉野三の助。こいつが根性曲がりの奴で、二人が家を持ったと聞いて、恨みを抱いた。二人が殺された日、勇次と親分は、新シ橋にさしかかっていた。すごい夕立。その中に、兜と鎧をつけた武者が立っていた。一瞬で消えた。川へ落ちたようだ。その武者は吉野だった。
感想。これもよくわからない。

8. 面影堂
これも自白調。辰親分に話しかけている。
蛍狩りで、お由が「私」を好きになった。牛込めの大店、島村やの娘。「私」するが屋弥平。「私」は堅物の両親を罠にはめようとした。家に雷光といういかさまの修験者を呼んで、お由が死にそうだ、死ぬと死霊になるが、今は、生き霊としてさまよている、と言わせる。
感想。よくわからない。

今週面白かったドラマ。麺食い記者。
面白いというより、気になったドラマかな。20年前、Aが事故で死んで、Bが失踪するの。それで、Aの妻は保険金をもらい、息子が心臓手術をして、助かるの。で、現在、その息子はCの殺害容疑をかけられて逮捕されるんだけど、黙秘を続けるの。それは、保険金が絡んでいるの。いったん降りた保険金は、20年が過ぎると、嘘の申請だとわかっても、返却できなくなるの。その期限が、あと一日だったの。
で、疑問に思った点。20年前の事故。AとBが入れ代ったというトリックなんだけど、そんなに簡単にできないよね。だって、死体を見て、同僚が、これはAだとかBだとかって、証言するはずでしょ。そこは保険会社も真剣に聞くわよね。徹底的に調べるし。顔がつぶれていたって、指紋とか、DNAとか。あ、20年前じゃ、DNAはないか? そんなに簡単に入れ替われるかなって感じ。そこが引っ掛かったわ。

もう一つ面白かったのは、「アンフェア。ダブルミーニング
ネットで、人が殺される映像が配信されている。投票をさせて、正解でないと、銃で殺す。発信元を探すと、クルーザーの中。Aの娘が標的にされた。でも、正解だったので、殺されなかった。ところでAは記者。10年前に、如月クミが売春したとの記事を書いて、自殺に追い込んでいた。そのとき、Bが彼女を殺したのではないか、との噂が出て、警察は動いたが、上からの圧力で捜査中止になった。そのとき、寺島進(役名忘れた)刑事が捜査をしていた。もう一つ、ついでながら、現在、Bの父とC候補が選挙に出ていた。
で、寺島の所には、ネットで流れていると同じ質問状が来ていた。
寺島は10年前の事件を言っているのだと推理。10年前の事件の再捜査をする。すると、Bが如月クミを犯して、事件になると、父親の議員にもみ消しをさせ、さらに、青酸カリでクミを殺したんじゃないか、と警察は疑っていたを、熱烈なファンが嗅ぎ付けていたことを思い出す。で、今回は、そのファン(D)が復讐のためにやったのでは、と断定。
さて、Aに電話がくる。注射場で、Bに青酸カリでやったんだろうとけしかけよというもの。Aは娘が人質になっているから、従う。それはネットで全国中継された。
さて、例のクルーザーが港に帰ってきた。中を調べると、もぬけの殻。操縦士の話。ある男に操縦するようにたのまれた。その際、DVDを流してくれとも言われた。
これで、振り出しに戻った。
ネットでは、AとBが縛られて、投票にかけられているシーンが流されている。しかし、撮影場所がわからない。で、寺島は推理。クミが最初にライブをやった場所ではないか。かけつけると、そうだった。で、犯人たちを説得。犯人たちは、今までの映像は、すべて、演技で、誰も殺してないと白状。いったんは逮捕されすが、すぐに解放された。
で、場面は変わって、C候補と犯人D。実は、今回のことは、C候補が、自分が勝ちたいがために、B候補の弱点を探っていて、10年前の息子の事件を嗅ぎ付け、Dにたのんで、C候補を辞退させるために仕組んだ芝居だった。
感想。最後のドンデン返しが面白かったわ。