金雀枝荘の殺人

「金雀枝荘の殺人」今邑彩
面白かったわ。途中、一年前の殺人、さらに数十年の前の殺人まででてきたときは、少々うんざりしたけど、最後の最後まで予想を裏切ってくれて、超面白かったわ。この人は天才ね。おしい人を亡くしたわ。
アンナ、類、乙彦、冬摩は、一年前、6人の人が密室で殺された、ドイツ風の洋館にやってきた。バイクが故障したというカメラマンが転がり込んでくる。さらに、霊の見える少女もやってくる。彼女は、一年前に殺されたという使用人の霊と、数十年前に子供を置いてドイツに帰ったというエリザベートの霊を見る(後に、エリザベートは、夫の手で殺されて、壁の中に埋め込まれたという推理の元となる)。
さて、一年前の6人の殺人。
A→B→C→D→E→Fの順に殺されたと思われたの。というのは、Aのころされた部屋のノブに、Bの血染めの指紋がついていて、次からも順にそうなっていたから。しかし、Fは毒殺なの。他の人は、風呂で溺死とか、刺殺とかなの。
でも、これについては、他に犯人がいるのでは?との推理が出るの。最後の毒殺された人が、犯人を送り出してから、知らずに毒をあおったと考えたの。
さらに、Bの溺死の人の指紋は、ノブを、ドライバーで外して移動してつければ、可能。
なぜ、そんな面倒なことをしたかというと、毒殺の人に罪をなすりつけるためよね。
では、動機と犯人は?となると、数十年前の殺人にまでさかのぼるの。
ひいおじいさんが、妻のエリザベートが浮気しているからと思って、殺したのね。そのとき、小さな子を養子に出したの。それで、もう一人子供がいて、その子供が、6人の孫を産んだの。だけど、エリザベートの子は、自分の子じゃないと思っていたから、その養子に出した子をまた引き取ったの。それで、浮気してできた子を殺せと教育したのね。
ところで、養子に出した子は二人いて、残りの一人が、例のカメラマンではないか、と思われたの。つまり、犯人はカメラマン。と残りの4人は推理したの。そうこうしているうちに、一人づつ殺されるしね。
では、犯人は誰か。超面白いから読んで。