身代わり

「身代わり」西沢保彦
かなりトリッキー。最初はよくわからない。二つの関係のない話が淡々と進む。それがつながりが見えたところから、俄然面白くなる。
まず、目撃者。Aが夜の公園で男女の争うのを見る。女がB子。男がC男。明らかに、B子をC男が襲おうとしていたように見えた。しかし、B子は隙をついて、C男の股間を突き上げて、逃げる。その後、C男がこけて、包丁が腹に刺さって、死んでしまう。
そして、死hんだB男は、ソネヒロとわかる。B子は、夜、しょっちゅうそこをジョギングしている女だけど、身元はわかrない。しかし、包丁に指紋はついていた。
さて、場面は変わって、雄介(ソネヒロの友達)が語る。ソネヒロは、死ぬ前にコンパをした。しかし、お金を払った後は、金欠病だった。
なのに、自分のアパートから反対の、40分も歩く児童公園に行った。なぜだ?おまけに包丁は、もっていなかった。そこで推理。
包丁は、女がもってきたのではないか。つまり、女に殺意があった。ソネヒロは包丁を取り上げようとしていただけ。
では、女がソネヒロを殺そうとした動機はなんだ?この夜、目撃者A男ノ妻は東京。
すぐには動機はわからない。そうこうしていると、D子が家の中で殺される。死亡推定時刻は10時ころ。さらに、その4時間後に、赤瀬巡査が殺される。D子を憎んでいたのは誰だ?調べると、D子は、図書館の司書のE子を好きだった。でも、振り向いてくれないので、E子をモデルにしたポルノ小説を書いた。おまけに、E子の旦那を誘惑して、妊娠していた。つまり、ストーカー。だが、D子が殺された日、E子夫妻は、ヨーロッパ旅行。
さて、ソネヒロについて。雄介が調べると、好きな女性、F子がいた。F子をストーカーしていた。そして、公園のそばで、F子は一時かくまわれていた。その後、結婚して、イタリーに。そのことを知ってはいたが、確信はもてなかったので、公園のそばの家を見に行ったのではないか?そして、そこで、誰かに間違われて、B子に刺されそうになったのではないか?
所で、B子が殺される。すると、B子の指紋が包丁についていた指紋と一致。これで、公園でジョギングしていて、ソネヒロを間違って殺そうとしたのは、B子であるとわかる。
さて、では、ソネヒロを殺す原因を作ったB子は、本当は、目撃者のA男を殺そうと思って、間違ったと判明。二人は喫煙の趣味が一緒。
さらに、目撃者のAは、喫煙のことで、妻に恨みを持たれていたと判明。
さらに、ストーカーのD子は、E子に恨みを持たれていた。
整理すると、夫に恨みのあるAの妻は、殺害予定の日、アリバイあり。D子に恨みをもっていあたE子は、D子の殺害の日、ヨーロッパ。
ここまでくれば、XX殺人であるのはわかる。古典的な奴よ。面白いから読んで。