天狗小僧

「天狗小僧」幡大介
大富豪同心だそうで。あれの真似ですなあ。大富豪デカ。
金貸しの息子を、同心の株を買って、強引に同心にしたとか。主人公の卯ノ吉は、全然やる気がなくて、毎晩、吉原で芸者遊びをしているの。
たまーに、悪人から切り餅(25両の束)や中国の高い書画をもらうのだけど、そのくらい、毎晩散在しているので、屁とも思わないの。
で、これは第二弾だそうで。小間使いの美鈴が剣の達人で、いざというときは、美鈴が身代わりになって、悪人をバッタバッタと切り殺すのだけど、卯の吉が女っぽいので、卯の吉が剣の達人ということになっている。
で、今回、強盗団、霞の一党を取り逃がした。卯の吉は、一党が逃げてきたところにいたのだけど、煙のように消えてしまった。どこかの豪商の家に逃げ込んだと思われるのだが、それがつかめない。
所で、話は変わって、油問屋の白滝やの天狗小僧七之助と呼ばれている男が、江戸では人気。7年前に天狗にかどわかされて、一年後に帰ってきたので、天狗小僧と呼ばれている。
でも、この白滝やでは、内儀も天狗にかどわかされた。七之助を妊娠している時にかどわかしに会って、数年後に帰ってきた。帰ってきたときは、やつれて、別人みたいだった。でも、七之助が一緒。跡取りができたので、ご主人は大満足。
さて、霞一家が盗みをくりかえす。いつも捕まらない。
欄堂(蘭方医)の家の近くで、見失った。それで、調べてみると、欄堂は、非常に安い料金で、斬られたところを縫ったりしてくれるので、貧乏人がおしかけてくるのだが、金持ちもやってきて、払わないことがる。その未払いの金持ちが襲われていることがわかる。
で、卯の吉は、霞一家の逃げ込んだ先は、欄堂の家ではないか、と推測する。
さて、七之助の母であるが、古くからいる番頭に話を聞くと、かどわかしから帰ってきたのは、お内儀ではなくて、二号さんに似ているという。七之助は二号さんにそっくり。
それで、お内儀は、流産してしまい、たまたま妊娠していた二号さんが子供を連れて帰ってきたと、推理。当然、お内儀は殺されている。
で、話は、ある夜、この二号さんがこっそり門を抜け出して、霞の一党の手引きをしたことから、大捕物になる。つまり二号さんは、霞一家の一員で、ずっと潜伏していたのだった。
感想。卯の吉がへなへなしていて面白かったわ。