秘密にしてたもれ

「秘密にしてたもれ」沖田正午
陰聞き屋重兵衛の第四弾だそうで。陰聴きやというのは、悩み事を聴く仕事。さらに解決までしてやる。ランクがあって、20両と10両。今の金にすれば、200万と100万。結構高い。沖田正午というのは、もっと軽い作品でデビュウしたような気がしたけど、これは結構うるさい。
で、筋。重兵衛の元に、信濃のある藩の正室から悩み相談が入る。旦那(殿、名前は弾正)が松井打に女がいて、それで、宿泊を5日も伸ばしているのではないか? 去年も二日も伸ばした。今年は急病と言っているが、一日伸ばすだけでも、すごい費用がかさむのに、変だ。この奥方はけっこうケチで、相談料を7両にまで負けさせた。
で、重兵衛が松井田まで行く。そこの本陣の名主の家に、出戻りの娘がいて、子がいないはずなのに、母と呼ばれていた。それだ弾正の子ではないか。
まだ弾正が延泊していたので、天井から探ろうとすると、家来の長谷部にみつかり、首を切られそうになる。しかし、長谷部が躊躇していると、殿がきて、死を免れる。
この後、子供のことはなかったことにしてくれと頼まれる。(この時わいろをもらわなかったのが変)
さて、江戸に帰って、正室にそう報告。でも、正室は、ほかにも心配事があるみたい。それで、話を聞くと、800両を貸してくれるところはないかという。札差の武蔵やを紹介してやる。
奥方を尾行する。すると、芝居の女形に入れあげて、金をむしりとられている。
そのことを秘密にして、使途不明金の800両を自分の体をカタにして金を借りたと、奥方は、弾正に言う。弾正は、それで、一時仲直りをする。
だが、さらに500両の借金んを、奥方は、武蔵屋に申し込んでくる。どうも、あいびきを餌に、ゆすりを受けたらしい。それで、重兵衛が500両を運ぶ役になる。しかし、船で運ぼうとしたが、袴が釘にひっかかって、もたもたしている隙に、盗まれてしまう。
それで、女形が誰かと結託して盗ませたのではないか、と推理。捜査に入る。
なぜなら、重兵衛が500両を、その夜に運んでいることは、女形しか知らないから。
で、調べた結果、旗本の4人が、ある食べ物やで密会しているのが知れ、そこの主人が殺される。ダイイング・メッセージは、まつばや。で、されに調べると、小さい旗本の4人が浮かび上がる。4人の頭文字をあわせると、まつばや。それで、戦って、金を取り戻す。
奥方の借金はどうなたのだろう? わからない。
感想。今一。なぜ面白くないかというに、あのカーの原則を守っていないから。例の、犯人は、最初の数ページにフルネームで出てきた人でないと、面白くないって、奴。
子の場合なら、弾正が犯人を操っていないと、面白くない。でも、展開が速くて、勉強にはなったわ。