怪かし斬り

「怪かし斬り」風野万智雄。
感想から言ってしまうと、肩の凝らない娯楽ものって感じ。短編集。
1・燃える顔
ある商家の庭に、赤い提灯のお化けがでる。謎解きを言てしまうと、姑が釣糸のような強靭な糸で、提灯をつっていたのだ。
2・血みどろ風呂
あるお風呂屋で、真っ赤な血がわいて、女が消えた。これも謎解きを言ってしまうと、陰間が、食紅を撒いて、潜って、かつらを取って、男に戻って、脇に出た。女が消えたように見えた。
3・笛吹く夜叉
ある大名家。昔、笛を吹く女中が、首をつって死んだ。その女の幽霊がでた。これも謎解きをしてしまうと、その同僚の女の息子が、芝居の脚本家になった。同じ筋。だが、芝居が当たらない。それで、宣伝のために、同僚の女が、屋根の上で、笛を吹いていた。
4・狐火宗匠
王子ので狐火がでる。俳句の怪の時だけ。毎回出席しているのは二人。その一人。骨董やのご主人。ギヤマンのツボなどもある。謎解きをしてしまうと、そこの息子が、ギヤマンのツボをみたくなると、その壺に火を入れて、並べてみていた。本当は、いつも、見たいのだが、父が、いつもそばで寝ているので、おどかして、どかした。
5・妖怪坊主。
ある寺に、大入道のお化けがでる。墓石の三倍もある。謎解きをしてしまうと、枕を墓石にみたてて、その後ろに立った、小坊主だった。
6・霧の手。
川遊びをしていた花魁が2人、霧の中で、白い手に引き込まれて、おぼれて死んだ。これも謎解きをしてしまうと、二人の花魁に飽きがきた遊び人の男が、霧の深い日に、お化けにみせかけて、川に引きずり込んだ。