かりんとう侍

かりんとう侍」中島要
時代劇の勉強になると思って買ったの。確かに薀蓄はすごい。でも、薀蓄だらけで、対して面白くない。よく、時代劇を書くときに、先生は言うの。現代人に向かって書くのだから、泣くか、笑うか、謎解きをさせよって。
でも、これは、そのどれもないの。ただ薀蓄だけ。たしかに、江戸時代の人に向かって発信するのなら、共感は得るかもしれないわ。武士の家の後継ぎが体面だけしか気にしていないところとかね。でも、現代人は、そんなことは分からないもん。つまらない。
この人は、純文学の出身かもね。純文学の人は、口を酸っぱくして言うの。人間を描けって。確かに、人情の機微は描かれているの。芸者がしゅじんこうのどういう所を好きになったとかね。でも、物語は、転がっていかないし、超退屈なの。まあ、でも、薀蓄は勉強になったかな。