お伊勢ものがたり

「お伊勢ものがたり」梶ようこ。
東海道53次を勉強したかったから買ったの。でも、そのほかにも面白かったわ。
祖母と、嫁と、娘の三人と、一人の御誌(おんし)がついて、旅をするの。
祖母は、平均的な女の人生を勤め上げて、自分のために何かしようと思って、お伊勢参りを決めるの。よめ(これが主人公)は夫に浮気されて、女の人生ってなんだったのかしらと悩んでいて、それを吹っ切るために、一緒にいくの。娘は、結婚が決まっていて、でも、好きな人がいて、それのどっちにするかを決めるために行くの。まあ、よくあるっちゃあ、よくある話なの。でも、途中で、スリの女に会って、旅したり、癌で死にそうな男や、抜け参りの男の子と一緒になって、旅をしたりで、まあまあ泣けるのね。よくある話なんだけどね。きっと、この人は、ネタはないんだろうね。でも、腕はあるって感じ。それで、卒なくまとめたんだろうね。
でもって、面白かったのは、明治に代わっているのに、旗本だとか、後とりだとか、意識がまるっきり江戸から変わっていないのね。それが面白かったわ。