俺のもんだぜ

「俺のもんだぜ」沖田正午
物語とはこういうもんだ、という見本みたいな小説でした。超面白くて、超笑ってしまいました。「陰聴き屋」シリーズとはえらい違いで、軽いこと、軽いこと、まるでライトノベルかと思ってしまうほど、肩に力が入っていない。
まずは帯から。
御家人やくざの白九郎の相棒、牙黒と名付けた雑種の犬。なぜか、話ができる。柳原の土手を縄張りとする野犬たちも、義侠心で結ばれた仲間だ。その土手になんと3万両の埋蔵金が隠されていた。嗅ぎ付けたのは、旗本、川船役人、やくざ者。お宝を掘り出すのに、野犬は邪魔と、土手に毒まんじゅうをばらまいた。「許せねえ」と白九郎と牙黒は、その埋蔵金を餌に、一網打尽の罠を仕掛ける。
さらに詳しく言うと。
旗本の織部が、犬と大判を見る。神田川の土手。ここには、昔、徳川の3満了が隠されたと噂がある。それで、それを掘り出そうと決心する。次に犬と大判を見たのを、やくざの次郎吉、彼も同じことを考える。次に大判を見たのは、勘定奉行に属する、川船改め役は以下の配下の役人の坂田。彼も同じことを考える。
次。イヌたちの会話。人間の白九郎と飼い犬の牙黒と会話ができる。雷電が子分の犬と大判を見るが、それが何かわからないので、捨てさせる。
織部と倉太郎は土手に野犬が沢山いて、大判を掘り出せなので、野犬を始末しようとする。
で、毒入りのまんじゅうと、団子をそれぞれが撒く。それで、二匹死ぬ。
しかし、白九郎に、毒だと教えられて、食べるのを辞めさせる。さらに、白九郎が犬を退治して、大判を掘り出そうとしているのを知り、相手を油断させるために、犬たちを移住させる。さて、坂田は3千両を使い込んでいた。大判を小判にかえる前に、監査がある。それまでに3千両を返さないといけない。
それで、旗本の織部に、3万両の大判を小判に変えてやるので、先に3千両をくれという。織部はOKして、札差や馴染みの菓子屋から借りて、彼に渡す。
さて、その和菓子屋のボンボン。父が旅行中なので、5百両が足りない。それで、自分の付き合っている女にせびる。男を好きな女は、父に頼む。女の父で薬屋の男は、断る。それを恨んだ男は、奉行所の知り合いに、女の父の薬屋をつぶしてくれと頼む。
奉行は、いつでも袖の下をもらっているので、OKする。瓦版に悪口を書かせて、つぶそうとする。さて、それとは別に、神田川の土手で、「柳の下。5番目」と書かれた紙を持った男が殺されているのが発見される。
これを、白九郎は、そこにいた旗本に話す。旗本は、秘密にするために、倉田牢や、自分の家臣を葬るが、家臣は、犬に助けられる。
さらに、別人を切ってしまうが、犬が戻ってきて、穴掘りを続行できない。
そうこうしていると、白九郎は、犬が加えていた大判は、実は、宣伝のための偽金であることを発見。それを奉行所に届けて、土手を掘っていた旗本と坂田はお縄になる。
つぶれそうになっていた薬屋も、悪口は嘘であると瓦版に書いてもらい、難を逃れる。
3万両を巡って、金貸しから金を借りて、また、そいつが別口から金を借りて、という風に、堂々巡りになって、面白かったわね。。

面白かったといえるかどうか。昨日の、司法教官の。ドラマ。
法律が次から次と出てきて、難しかったわね。それも、常識はずれの法律。ちょっと興ざめだったわね。