上様出陣

「上様出陣!」牧秀彦
徳川家斉挽回伝とサブタイトルにあるの。で、どういう話かというと、馬将軍と噂された家斉が、汚名挽回するために、御庭番と一緒に、市中に繰り出す話。非常に肩がこらないわね。これもライトノベル波ね。でも、あまり印象に残らない。なぜかというと、はらはらドキドキがないせいね。
最初は貧乏している絵師の才能を発見してあげるの。これが葛飾北斎。それから、芝居の脚本家に会うの。そいつが売れなくて苦労しているの。それで、江戸城大奥で起こった幽霊話をしてやるの。それをまとめてそいつが書いて大当たりをとるの。そいつの名が、鶴屋南北。で、芝居は「東海道四谷怪談」というオチ。うーん、今一。

今週面白かったのは、「おかしな二人
伊藤四郎がいいわね。筋も結構面白かったわ。
まず、むかし、冤罪裁判で勝った弁護士がいるの。これは、ちょっと強引。やくざ崩れの男の冤罪というのもね。それはともかく、その事件を調べていた女弁護士が殺されるの。で。その事件を調べなおすと、どうも、冤罪をかけられた男が、本当に殺しているらしいの。そうこうしていると、その男が二か月前に殺されて、発見されるの。で、そいつのいたやくざの親分に話を聞くと、美人局をやっていたらしいの。で、美人局をやっていた共犯の女性を割り出すの。逮捕されていたからね。で、その人に、ひっかけた男の特徴を聞くの。どうも、50がらみで、太った男らしの。で、殺された女弁護士が、最後にあっていた薬局の防犯映像をみると、生活安全課の刑事なの。で、美人局の共犯の女に顔写真を見せると、そいつだと断定。で、推理。生活安全課の刑事は、美人局の弱みを握られて、6年前に、犯人の男の自転車を処分。で、冤罪だとして、無罪になった。今回、男は、金の困って、弁護士に、本当は自分がやったんだといって、ゆすりをかけた。それが3千万。その金は、男の部屋にあった。でも、それ以上のゆすりをかけた。それで、生活安全課の刑事にたのんで、弁護士は男を殺させた。さらに、女弁護士が、男にあって、そのことを聞いていた。で、女弁護士も殺させた。まあまあだったわ。伊藤四郎がいいわ。