大江戸世間知らず

「大江戸世間知らず」おっとり若旦那事件帖。南房秀久
なんとなく手に取ったんだけど、読んでよかったわ。今、吉原の花魁物を書いているんだけど、浅草へ移転した後の設定にしていたの。そしたら、ほかの本だけど、2メートルもの塀で、忍び返しがついていて、その外が2メートルもの堀で、忍びだせないと書いてあったの。これには参ったわ。夜、忍びださなきゃ、調べにいけないmの。でも、これを読んだら、明暦の大火前の吉原は、堀もなかったらしいの。で、外へ出るのもそんなに厳しくなかったとか。よかったわ。時代だけ移せば可能だもの。
で、筋。この人も結構薀蓄はすごい。で、薀蓄のすごい人はストーリーは今一。おまけにこれは短編集なので、よけい薄い。
1.女土佐衛門。時代はまだ遊郭から遊女がお参りにかこつけて、自由に出られたころ。女の水死体が浮かぶの。で、似顔絵を瓦版(これも読売なんだとか)に書いて、死んだ所に幽霊が出ると、噂を流すの。すると、一人の侍がやってくるの。で、問い詰めると、心中をしたというの。手首を縛って。その紐がほどけて、自分だけ助かった。でも、もっと問い詰めると、殺したと自供。それで、腹を切らせるの。
2.世間知らず。夕里という遊女が胸を病んでいて、実は父の仇を探しているというの。それで探し出して、敵討ちの手助けをするの。しかし、髻を切っただけで、夕里は、刺せないというの。そこで終わりにするの。
3.般若の女。般若の彫り物をした遊女ばかりが4人、辻斬りに会うの。それで、般若の彫り物ばかりをしている彫りしが捕縛されるの。しかし、彼はやっていないというの。で、吉原の元締めの総司衛門の所へ行くの。すると、息子が、ある旗本に金をもらって、般若の入れ墨をした女が遊郭から出たときは、教えて欲しいと頼まれた、と教えてくれるの。其れで、水江の腕に絵を描いて、その旗本たちをおびき出すの。すると、後家人が現れて、日ごろのうっぷんを晴らすために、遊女を一人10両で切っていたというの。そいつらを捕縛して、さらに後ろで糸を引いていた旗本をおびき出す。

今週面白かったのは、「真夏の方程式」。まあ、煙突をふさぐというトリックは、読んだときに分かっていたのだけど、面白かったわ。