絶唱

3・5(木)
絶唱」本。湊かなえ
まずは帯から。
心を取り戻すために、約束を果たすために、逃げ出すために。
忘れられないあの日のために。
別れを受け止めるために。
「死」に打ちのめされた彼女たちが、
秘密を抱えたまま、たどり着いた場所は、太平洋に浮かぶ島。
では筋を。
これはミステリーではありません。泣かせ小説です。泣け、泣けと。あこぎなまでに仕掛けがしてあります。短編集です。
1・楽園。
トンガの旅行記みたいです。バカンスでトンガに行ったのでしょうか。作者は。トンガの観光風景が延々と描かれていて、最後に、主人公が、双生児で、震災で、相方が死んで、母は、そっちのほうが可愛かったので、そっちの名前で呼んでばかりいるという話が、最後にちょっと。で、主人公は、自分を取り戻したくて、ここに来たと。まあ、うまいです。手練手管。常套手段なんだけど、じわーんときます。
2・約束。
これは、一とは別人の女性、理恵の話。もう一年くらい尚美のペンションに住んでいる。お葬式の風景が延々と描かれる。陽気。恋人壮一との思い出が挿入される。その壮一が訪ねてきた。二人で海を見に行った。壮一は支配欲が強い。それには少し辟易している。そして、首を絞められた。死にそうなほど。壮一の子供を妊娠していた。でも、首を絞められて死産。壮一とは別れたはず。友達の流元が死んだ。それで、二人の間は決定的になった。よくわからない。
3・太陽。
シングルマザーの話。保育園が熱があるとすぐ返してしまう話や、過去が延々と描かれる。それで、子供を一人で置いといて、水があふれたり、ボヤ(両方とも上の部屋なんだけど)で、危なかったり、といろいろ。よくわからない。
4・阪神淡路大震災でトラウマになった手紙。あざといほど泣け、と叫んでいる。鼻につく。