そして名探偵は生まれた


3・10(火)
「そして名探偵は生まれた」小説、歌野晶午
これも前に紹介したかも。でもダブっていてもいいくらい、面白い。
短編集、まずは帯から。
景浦速見は、下世話な口が珠に傷だが、正真正銘の名探偵である。難事件のお礼に招かれた伊豆の山荘で、オーナーである新興企業の社長が殺された。雪の降る夜、外には足跡は一つなく、現場は密室。この不可能犯罪を前に景浦の下す推理とは? しかし事件は思わぬ展開に。「雪の山荘」「孤島」など、究極の密室プラスアルファの一味違う本格推理の傑作。

1・そして名探偵は生まれた。
主人公は名探偵の弟子。この名探偵は、頭が切れるが、金に汚い。主人公はそこが嫌い。
さて、雪の山荘で、オーナーが殺される。現場はホール。窓には鍵がかかていて、ドアの前には客が二人。この客が中から争う音がしたので、ホールの中に入ってみたら、オーナーが殺されていた。さて、密室。犯人はどこから逃げたか。そして、翌朝。名探偵が風呂場で殺されていた。さて、連続殺人の犯人は誰?
ここで、主人公が見事に謎を解く。連続殺人犯は前のオーナー。動機は、この会社もこの山荘も安く乗っ取られたから。では、最初のトリックは?、それは、片側の壁が動いた。それで、客たちがホールに入った時は、壁の後ろに隠れていた。そして、客たちが死体にくぎ付けになっているときに、こっそり逃げた。で、それを名探偵に見破られて、殺した。実は、これにはまだ別のドンデン返しがある。
本当に謎を解いたのは、名探偵。名探偵はそれをネタに犯人を脅そうとして、殴られた。それで失神し、気が付いて、主人公に電話した。トリックも話した。主人公は、あまりの金の汚さにあきれて、殺した。人を食った謎解きで面白かったわ。
2・生存者一名。
これは、「そして誰もいなくなった」のアレンジ。無人島で生き残った4人が殺し合い、騙しあう。食料も奪い合う。で、女二人が生き残る。私以外の女は、教祖の子供を宿している。そして、彼女は言う。「教祖は子供をほしがっていた。だから、必ず自分だけは助けに来る。」と。そこで、私は、一計を案ずる。その女が子供を産んだ後、殺して、私がその女になりかわった。外見は痩せ衰えて、見分けがつかなかったから。

3・館という楽園で。
館ものです。3つのそっくりな部屋があります。真ん中にラウンジがあり、三つの部屋は、放射線状に作ってあります。ABCとすると、Aで殺人があり、外は雪。雪の上に足跡はなし。真ん中のホールは人がいたけど、犯人は通らなかった。でも、犯人はBの部屋へ逃げた。さて、どうして。笑ってしまうほどの単純なトリック。超面白いので読んで。ヒントは回転。
もう一つ驚きの作品が。
傾いたぼろアパートで殺人。12時、雪はやんでいた。玄関には二つの入ってくる足跡。死体となった人の足跡と、犯人の足跡。だとすると、犯人はどうやって逃げた>
ヒントは傾いたアパート。これは目から鱗

情報。
ともさかりえ、いい。
相撲。JA共済、超目立つ。