リカーシブル

7・4(土)
「リカーシブル」小説。米沢穂信
「満願」が面白かったので買ってみました。最初は田舎町に引っ越してきた女の子(中一?)
の近況がタンタンと描かれる。弟のサトルが予言したことが次々と当たる。サトルは預言者か思いきや、そうではなくて、昔、この町に住んでいたらしい。主人公の女の子は、父親の連れ子、サトルは母親の連れ子。そのうちに、この村に伝わるタマナヒメ伝説が語られる。
その伝説を教えてくれたのは、三浦先生。タマナヒメは、昔、悪代官をやっつけて、自分も死ぬ。という伝説らしい。そして、今でもその伝説をやる姫は存在していて、庚申堂に住んでいる。祭りの前には、肉や魚を食べてはいけない。一方、この村には、高速道路誘致の話が持ち上がっていた。二年前。水野教授がまねかれ、この村を通ると、非常に有益だとの論文を書いた。だが、それを、MOにして、村人に(姫)渡した後、端から落ちて死んだ。
一方、三浦先生もナンバーを隠した車に追突され、死にそうな目にあった。
どうやら、この村には、よそ者が用事が済んだら、排斥するという習慣が残っているらしい。さて、話は変わって、一見、昔のフォークロアだけを語っているかにみえたこの小説が、最後でとんでもないミステリーそれもドンデン返しが起こる。それは、主人公の私が推理することから始まる。これがすごい。
まず、この村で、スムーズに家が見つかったノハ、サトルの記憶を取り戻させるためだったんじゃないか。そして、村そのものをすべて、2年前の通りに作り直したんじゃないか。
サトルは2年前、火事で、先代のタマナヒメが死んだのを覚えている。ということは、2年前、MOをタマナヒメから預かったんじゃないか。
それから、森本さんちで遊んでいたのを覚えている。ということは、そこの襖の間にMOを隠したんじゃないか。そう思って、忍び込む。実際あるんだけど。
そして、現代のタマナヒメがいるんじゃないか。引き合わされたのは、ダミー。それは誰?
超面白いから読んで。

情報
昨日、書き忘れたんだけど、記憶喪失は人気あるわね。鯨統一郎の記憶喪失物が、ずっと、私のブログでは検索一位なの。おお金持ちの遺産が入るってのと、次々と怪しい人が現れるってのが新鮮なのかもね。
それから、この間の「保身」は面白かったわ。全然関係ない二つの事件が、途中で合体するの。面白かったわ。