静おばあちゃんにおまかせ


7・23(木)
「静おばあちゃんにおまかせ」中山七里
短編集。でm、薀蓄がすごい。ちょっとうざい。警察の内部事情とか。トリックには関係ないのに、ページ数を伸ばすために、延々と描かれている。一つのテクニックか。
1・神奈川県警にA警部が赴任してくる。その警部の拳銃の珠が、B警視の死体の中から発見された。珠の線条痕から、そう判断された。神奈川県警は、腐敗が進んでいる。暴力団との癒着が激しい。前からいた、B警視は、それを黙認。ところがA警部は、それを排除しようとしていた。当然、神奈川県警内部からは、けむたがられている。
で、葛木刑事は、恋人の円に相談する。すると、天才的な頭脳のおばあちゃんがいて、謎を解いてくれる。これは、あくまでも、珠の線条痕から、そう断定されただけで、A警部がB警視を撃ったところを見た人はいない。それで、A警部が神奈川県警の中では、全員に敵視されていたと仮定して、推理をする。まず、A警部は、よく威嚇発射することがあった。となれば、その発射された珠を所有している部下がいるのも可能。
で、まず、死体解剖をした、C監察医が、珠をすり替えるのは可能か、と考える。前に威嚇発射された珠を持っている確率はゼロだから、不可能。では、その次、A警部の部下で、死体解剖に臨席していたD刑事ならどうか。可能。よって、D刑事が、珠をすり替えたと推理。だが、実際に撃ったのは誰か? 神奈川県警全員が敵だったので、その中の誰か。
2・ミオという女子大生が、祖母の家に行く。そこで、スーパーの配達員と一緒に、家に入り、祖母の死体を発見。で、その時間が、午後の1時。死亡推定時刻は、午前の11時から午後の1時。葛木刑事が調べると、午前の11時半から、派手な衣装を来て、派手な帽子をかぶり、銀座の街を歩いていた。あまりにも派手なので、デパートの受付とかが覚えていた。
銀座からだと、家まで1時間なので、家に帰ったのは、午後の零時半と推測される。
で、洗濯機の中には、汗をかいたのか、派手な衣装と派手な帽子が投げ込まれていた。
ところで、ミオの両親は、あまりにも祖母が口うるさいので、家を出ていた。ミオだけは、祖母にかわいがられていたので、たまに訪ねてきていた。両親にはアリバイあり。
で、おばあちゃんの推理。まず、派手な帽子と派手な衣装で銀座を練り歩くというのが、変。それをしたのは、ミオではないか。まず、喧嘩でもして殺してしまって、慌てて、死亡推定時刻をごまかすために、派手な帽子と衣装で、銀座を練り歩いて、途中で、折り畳みのバスケットに入れて、家に帰って、スーパーの配達員と一緒に発見した。この時、家を出るときは、玄関を施錠して、裏からでた。で、その証拠は、帽子の裏。汗をかいていたから、DNA鑑定すれば、すぐに分かる。いつもながら、アクロイドは衝撃的だわ。
3・カルト集団で、教祖が死んだ。でも、この教祖は、前から生き返りをやっていたので、今回も生き返りの最中だと思われている。だが、生き返らない。で、これは殺人事件ではない。葛木が、上司から頼まれて、心酔しきっている娘の目を覚まさせてほしいと頼んだもの。で、葛木は円に頼んで、教団に潜入させる。そして、生き帰りのトリックを暴く。それは、体表が冷たくなっていた。脈が触れなかった。瞳孔が開いていた。で、トリックは、体表が冷たくなっていたのは、ウエットスーツを着せたため。脈が触れなかったのは、わきの下にゴルフボールを挟んだため。瞳孔が開いていたのは、散瞳薬という目薬を差した。あと、死体が消えていたのは、開けた時、扉の影に隠した。で、見事に目を覚まさせる。
4・空中のクレーンの中。Aが死んだ。誰もそばに近寄れない。なのに、脇腹にナイフ。
これは、よくあるやつ。死んだマネをしていて、発見者が差すってやつ。
5・ホテルで、ある国の総理が殺されて死んだ。その時、11時、ピストルの音がしたが、警備員が周りを固めていた。総理夫人は、隣の部屋で、電話中。あと、部下の中には、独裁者だったので、身内を殺された者も多い。だが、アリバイあり。
これは、昔からよくあるヤツ。テープでピストルの音を聞かせて、その時は、すでに殺して会ったってヤツ。そのアレンジで、ケータイの着信音にピストルの音。
もう一つ、面白い謎が。

情報。
刑事7人は面白かったわ。先週。スタジオで衣装が盗まれる。大臣の娘が脅迫を受ける。そして、爆弾騒ぎで誘拐される。同じ人。全然関係ない3つの事件が一つになる。面白かった。今週。19日に冷凍保存された遺体は、19日のコンビニのレシートがあって、それと同じものが胃の中に。しかし、その日、黄砂が降って、灰の中に砂がない。それで推理。殺されたのは18日。でも、すり替える為に、19日に同じものを買って、レシートがわざと見つかるように、財布を交番の傍で落とした。面白かったわ。