桜子さんの足下には死体が埋まっている」(白から始まる秘密

8・12(水)
「桜子さんの足下には死体が埋まっている」(白から始まる秘密)太田紫織
1・土を掘る女性。
ある認知症の女性が、永山神社の木の下を掘っている。で、近所のおばあさんに、その女性の写真を見せて、話を聞く。すると覚えている。昔、そこの近くに住んでいた。はっちゃん。貧乏で、子供が多かった。次々とできるが、里子に出したのか、すぐに消えた。ある日、父が大酒飲みで、家出をしたと聞いた。父は腕のいい大工だった。
で、そのはっちゃんが掘っていた場所を掘ってみる。腕の骨が出てくる。太く逞しい。これは大工の骨だと桜子さんは断定。で、頭に陥没の痕跡あることも判明。それで、殺されて埋められたと断定。で、埋めたのは、はっちゃん一家ではないか? 大酒飲みだったとの話だから、ある日、妻を殴っていて、殺されると思った妻と子供が殺して、埋めたのではないか。
話をはっちゃんにすると、聞いていて、涙を流す。どうもそうだったらしい。
2・亡霊メール
学校の放送研究会の瞳が、都市伝説の話題で注目されている。その中に次の物がある。A子さんが、観音台へマサヒロとドライブに行った。そこに着くとマサヒロは消え、墓石があって、マサヒロと書いてあった。その後、メールが入った。文章は「死ね」。
で、過去の新聞を調べた。すると、章子という女の子が、観音台で自殺していた。その人の霊ではないか。で、章子の家に行く。母親は、章子はとにかく自殺願望が強かったと言った。
だが、マサヒロなんて名前は、聞いたことがない。
で、これを瞳は綾子から聞いたと言った。だが、綾子は、知らないと否定。で、桜子さんは、瞳を問い詰める。これは自分で考えた狂言だよね、と。
すると、瞳は泣きながら白状した。そうだ。でも、理由がある。それは、綾子に関係している。ある夜、両親が外泊したので、友達を誘って、カラオケに行こうと思った。で、綾子を誘った。だが、綾子が来なかった。で、ふらついていると、アキという女の子とマサヒロという男の子に出会った。他にも一人いた。で、カラオケをして、帰ろうとすると、マサヒロの先輩の光浦という男が来て、観音台へドライブに行こうと言い出した。自分以外は賛成したので、一緒にいった。そこで、光浦が襲ってきて、戦って、車から走って逃げた。後ろからアキの「タスケテー」と言う声がしたけど、助けられなかった。それで、アキは襲われて、死んだのだろうと思って、こんな都市伝説を作った。もし、アキが生きていたら、名乗り出てくるだろうし、そしたら、謝ろうと思っていた。
で、桜子さんは、この話に不審なものを感じて、綾子に逢いに行った。すると、綾子は、あの日の出来事は、すべて狂言だと言った。瞳がうざかったので、わざとマサヒロに襲うマネをして、怖がらせてほしいと頼んだ。光浦さんのことは知らない。で、アキについて聞くと、あれは、マサヒロの彼女だから、大丈夫だと断言した。つまり、狂言
で、この後、桜子さんは、光浦のもとへ行って、脅しをかけるのだが、それに、さらに、光浦の車の番号をファントムという主人公の架空の相手が知っていて、それは、桜子さんの15年前にひき逃げされて殺された弟の相手だったとも判明して。
さらに、章子というのは、この件とは関係ないけど、暴行マニアの光浦が、二日後に襲った相手だったとも判明して。
感想。都市伝説が、狂言だったってのは面白かったわ。でも、架空の相手のファントムが出てきて、それが15年前のひき逃げ藩の車の番号を知っていて、と続くのは、ちょっとやりすぎ、つうか、盛りすぎっつうか。二つの別な話にしてくれて、もっとじっくり膨らませてほしかったわ。