桜子さんの足下には死体が埋まっている」(骨とザクロと夏休み

8・21(金)
「桜子さんの足下には死体が埋まっている」(骨とザクロと夏休み)太田詩織
短編集。毎回薀蓄には驚かされます。
1・夏に眠る骨。
鍾乳洞の近くで骨を見つける。首の骨が折れているので、崖から落ちたらしい。服から、秋か? 一部ミイラ化。
骨から70代。子供を産んだことのある女性。警察へ電話。
去年の秋に失踪届が出ている鴻上ミエ(72)と判明。主人公の学校の上級生に鴻上の孫がいる。訪ねてくる。祖父の世話をまかせっきりにしていた。それで、悲観して自殺、と警察の見解。しかし桜子さんは違うと言う。ビルにすれば2階くらい。これでは確実に死ねない。おまけに朝。朝はセロトニンが出て、元気になる。それで、ここに来た。落ちた。事故だ。
2・あなたのおうちはどこですか?
近くのコンビニ。事故になりそうな3歳くらいの男の子を助ける。服が血だらけ。はだし。どこから来た?イーちゃん。近くに母親はいない。交番に連れていく。質問。一キロ以内だろう。近くに公園がある。公園の近くの家で、聞く。Aさんちの子。母親はDV、新しい男。マニキュアばかりしている。そこんちへ行く。鍵が開いている。入る。台所、母親が血まみれで倒れている。死んできる。なぜ逃げなかった? 子供は窓から逃がした。そこに血がついている。チェーンも壊されている。新しい男が、刀をもって入ってくる。覚せい剤だ。警官と取り押さえる。母親は何かをかばった。と桜子さん。死体を退けると、生まれたばかりの赤ちゃん。瀕死の重傷。4時間も暑い中にいた。人工呼吸。救急車を呼ぶ。間に合った。
感想。血まみれの男の子が一人で歩いている処からして、筋はなんとなくわかったけど、感動的だったわ。
3・殺されてもいい命。
札幌。精力絶倫の老人がいる。妻の妹に手を出して、自殺に追いやった。お手伝いさんに手をつけるのはいつものこと。そのたびに、莫大な補償金を出したり、息子にしたり。
そhして、パーティのあと死んだ。心臓麻痺。次々と毒殺したのは私と名乗り出てくる。ここが面白かったわ。ぜひ読んで。

情報
園まりいい。
がんばれ日本。三井住友銀行
名取裕子のミステリー面白かった。あしながおじさんが、実は、にくい相手だっていうのが、新鮮。あり得る。