からくり探偵・桜の中の記憶


「からくり探偵・桜の中の記憶」カコヤ圭市。
時代が大正時代。私も時代物を書いているので、参考になるかと思って買ったの。時代物はいいのよ。何しろ、指紋もない、DNAもない。本当に頭だけで、推理するから。よく新本格の人が、絶海の孤島を登場させるでしょ。それも同じ。で、この人は天才だわねえ。何しろ理屈にうるさい。石持浅海の次くらいに理屈っぽい。参考になったわ。
で、筋。短編集。
1・殺意に満ちた館。
折ヱが死んだ。遺言で、自分が死んだら探偵に謎解きをしてもらうようにある。それで依頼が来た。死んだ日、パーティが母屋で開かれていた。で、死んだのは離れ。雪密室。
で、雪密室なのだから、雪の降る前に入って殺して、発見の後まで、扉の影に隠れていた。謎解きは単純。では犯人は?言ってしまうけど、全員がグル。伯爵夫人に美少年が化けていて、伯爵夫人がやる予定だった。でも、足をくじいた。ではやったのは、誰。庭師。彼も動機があった。感想。今一。
2・屋根裏の観測者。
ある女小説家の同居の女が殺される。女小説家は大阪へ出張。翌日。犯人と名乗る男から小説が送られてくる。それには、ずっと自分が泥棒をしながら、屋根裏から覗いていたという話が。そして、やったとも。でも、主人公探偵はそれを書いたのは女小説家で、殺したのは、行く前と謎解き。しかし、後から発表された小説のかなづかいを見て、実は、ゴーストが書いたのだと推理。ゴーストが殺された女。
感想。今一。
3・さる誘拐の話。
これは大傑作。筋。
誘拐が行われる。誘拐された息子は丈太郎という名前だとか。でも、家を出たあと消えた。
で、聞き込みをする。すると、家の前には蕎麦屋、裏口には占い師がいて、誰も出ていないと証言。で、暗い中に消えるのは黒いものなのだが。丈太郎はとんでもないもの。さらに、翌朝、脅迫状が来て、それが暗号でふざけていたことから、医者もグルだと推理。
超面白いから読んで。
もう一つ驚きの謎解きが。
大正時代なのに、血の跡が光るなんて、発明をして書いているが、それはちょっと。
情報。
クラブツーリズムの旅、いい。
オーラテクトは特保。
エイコ教授は面白かったわ。ふつう暗号と言うと、中々解けないのに、すんすんと溶けてしまうのが、良かったわ。
それから相撲。
稀勢の里、優勝させればいいのに。白鳳も鶴竜も気が利かないわ。日本人が優勝すれば、もっと相撲人気が高まるのに。そして、コマーシャル料も相撲界に入ってくるのに。バカだわ。懸賞金だって、60本以上もかかるのに。60本だよ。一本3万として、いくらになる?その時勝てばいいんだよ。本当に気が利かない。