美人画で辿る江戸・吉原の世界

美人画で辿る江戸・吉原の世界」
これは時代劇を書く人には超役に立つ。花魁の着物とか道具とか、髪型とかが、超詳しく描いてある。時代劇って、本当に枚数が稼げなくって困るんだよね。
例えば、服。現代劇なら、1980年代のリーバイスジーンズで、前ボタン。それも真鍮色だよとかかけるじゃない。あるいは、1980年代のラッパズボン(ガロとか履いていたね。懐かしい)とか、マンボズボンとか。色々思い出せるでしょ。いくらでもかけるじゃない。それが、時代劇では、唐山の着物と朝顔の帯とか、一行にしかならない。
そこへいくと、このページには、市松模様の着物に、蹴出は何色とか、半襟はなに色とか、情報盛りだくさん。只見たままを書けばいいの。超楽。(そういえば、美空ひばりに♪赤い蹴出しが風に舞う♪ってのがあったけど、蹴出しは赤とは限らないんだよ)。
それから、部屋の中の描写。これも現代劇だったら、スマホとアップルのパソコンとちょっと型は古いけど、今またブームになっているステレオと、昔懐かしい父の形見の家具調ラジオ、とか、いくらでもかけるじゃない。でも、時代劇だと何も書けないんだよね。思いつかないの。でも、この本には情報満載なんだよ。
まず、三味線でしょ。文机、乱れ箱。御膳。それも、螺鈿の御膳。御膳の上にはタイのお頭つき。さらには茶箪笥。中には縮緬の人形。茶筒。今戸焼人形。などなど。いくらでも伸ばせるわ。只見て映すだけ。
時代劇書く人には超役に立つ。
それに、吉原物はヒットする確率が高いんだよね。派手だから。ホラーで書いている人がいるくらいだもの。上田秀人も何冊も書いているしね。絶対おすすめだよ。
吉原と妖怪。二大双璧だよね。
それから、幡大介に「大富豪同心」のシリーズがあるの。これは、深キョンの主演でドラマ化された「大富豪デカ」の流れを汲むものなんだけど、時代劇にしては、異例の大ヒットなんだよ。それもそのはず、ばんばん金ばらまいて、強引に解決するの。食べ物だって、あの時代の庶民は、焼味噌で酒。クソ面白くもなんだけど、毎晩吉原へ入り浸っているから、タイのお頭つきとか、カステイラとか、ばんばん出てきて、現代人のグルメ志向に十分訴求できるの。
吉原はヒット路線よ。
それから、新人賞は、新しい物好きだから、吉原探偵と大富豪同心を合体させたミステリーなんか、いけると思うわ。
吉原で探偵役と言ったら、四朗兵衛会所の役人なんだけど、この役人と花魁を探偵役にして、吉原の外の事は大富豪同心が調べるの。面白いと思うわ。私が書こうかしら。トリックはコナンや金田一からパくればいいのだし。今は、市井の金持ちの娘で書いているけど、そのミステリーが行き詰ったら、書こう。
というわけで、こんなに情報がてんこもりで、1380円。超お得。おすすめ。
付け足しになるけど、ボーイズ・ラブを書いている人にも役に立つわ。ばっちりそっち系の描写もあるから。ボーイズ・ラブと言えば、西澤保彦の「奈津子の何とか」(忘れた)は超面白かったわ。兄貴島でXXをしている男がいて、死体があって、推理をするの。それから、XXが生えた女子たちがいて、乱交していて、そのシーンがこってり描かれて、その後死体が現れるの。で、推理。今はミステリーもBLも売れなくなっているから、これの時代劇番、なんてどうかしら。若くて体力がなきゃかけないけどね。
情報
日本縦断フルムーンの旅、5日間30万。阪急050−03−8689
16種類の野菜3000円。0120−933−552