2012-01-01から1年間の記事一覧

ギフト

「ギフト」(日明恩) 短編集。面白かったわね。さすがに平積みしてあるだけのことはあったわ。内容は、俺(元刑事)と死者の見える少年の話し。少年に触れて、死者が見えたことがきっかけに、その事故の奥に隠されている物を、俺が探しだしていく。 1、 と…

ナミヤ雑貨店の奇跡

「ナミヤ雑貨店の奇跡」(東野圭吾) 面白かったわね。タイム・トラベル物なの。従来のタイム・トラベル物と言えば、時間の裂け目を通って、急に首が現れるとか、時間の裂け目を通って犯人が逃げるとか、つまらないものだけだったけど、これは一味違うわね。…

三階に止まる

「三階に止まる」(石持浅海) 「NOVA5」の中の短編。 これは面白かったわね。推理でもあるし、SFでもあるし。でも、他が、SFでつまらないので、あまり売れないかも。惜しいわね。 筋。3階に止まるエレベーターがあるの。誰も押さないのに、止まる…

猫弁

「猫弁」(大山淳子) ドラマ原作大賞だそうで。肩の力が抜けていて、面白くって、それで、最後は泣かせる。ナカナカだったわ。4月23日に放送だそうで。 まず、葬式で霊柩車が盗まれるの。でも、実は、これの中には死体はないの。ある、靴屋の若社長が、…

川に死体のある風景

「川に死体のある風景」 1、「玉川上死」(歌野晶吾) 玉川に水死体が流れていると警察に通報がある。警察官が行ってみると、それは偽物。 ある学校の生徒が、警察に通報されるか否かを賭けていた物。これは、友達のAとBがインターネットで中継していた。…

あなたが名探偵

「あなたが名探偵」 1、 蚊取り湖殺人事件。(泡坂妻夫) この人は、ひょうひょうとしていて、本当にいいわ。薬の名前にしても、たちまち治るから、たちまち薬だとか、みるみる治るから、みるみる薬だとか。本当に職人芸。 蚊取り湖の近くのスキー場で、主…

プレイ、推理遊戯

「プレイ、推理遊戯」(ミステリー傑作選) 1、 バラの色(今野敏) 刑事が、バーに置いてあるバラの色をめぐって、推理を繰り広げる。そのバーでは、バラだけが飾り。たまーに赤いのが黄色いのになっている。なぜか? 最初の推理。店主が、恋人にOKの合…

ダウト、きりのない疑惑

「ダウト、きりのない疑惑」ミステリー傑作選 1、 黒い履歴(薬丸岳) 主人公は、昔、人を殺した経歴がある。さて、ある日、姪の春奈の友達の舞にぬいぐるみをあげる。でも、数時間後、その子の父が殺されているのが発見される。そして、主人公が刑務所にい…

ロシア紅茶の謎

『ロシア紅茶の謎』(有栖川有栖) 1、 動物園の暗号 暗号物で面白いのにあったことはない。大概はつまらない。 これは、動物の名前がつらねられた暗号をもっていて、それが駅名になっている。それのいくつかに○がついていて、これは中央線の梓2号を示して…

見えない殺人カード

「見えない殺人カード」(アンソロジー) これは大正解のアンソロジーだったわね。長編のようなトリックを短編で、それも幾つも読めてしまうんだもの。絶対読むべきね。 1、「はだしの親父」(黒田研二) 父の癌で死んだ後。兄弟が集まる。病院で、スーツを…

人面屋敷の惨劇

「人面屋敷の惨劇」(石持浅海) 東京都西部でおきた連続用事失踪事件。十数年後、我が子を失った美菜子をはじめ6人の被害者家族は、犯人と報道された土佐のクラス「人面やしき」に乗り込む。 名前は、糸井由規美、加茂吾朗、中川弘也、藤田昭信、美菜子、…

殺人鬼フジコの衝動

「殺人鬼フジコの衝動」(真梨幸子) これは、一度前に読んだの。でも、良くわからなくて、ブックオフに売ったの。でも、ものすごく売れているようなので、もう一度買ったの。でも、分からなかった。 内容は、フジコが小さい頃苛められて、殺しを繰り返して…

インシデント

「インシデント」(秦建日子) テレビで放送されたんですって。でも、見逃したから、読んでみたら、超面白かったわ。「アンフェア」の人。頷けるわ。筋。 医療コーデネーターをしている中原永遠子(とわこ)の所に頭痛持ちの患者(さやか)が相談にくる。聖…

猫柳11弦の後悔

「猫柳11弦の後悔」(北山孟邦) 超面白かったわね。さすがメフィスト出身だけのことはあるわね。設定がいいわね。名探偵という教授職があって、名探偵の講座があって、学生は探偵助手をめざしている。楽しくなってしまうわね。さて、筋。 ゼミで弧島へい…

中途半端な密室

「中途半端な密室」東川篤哉 さすがに大ヒットした人だけのことはある。これは初期の作品集という事だけど、面白かったわ。 1・中途半端な密室。 テニスコートで殺人。中年の男。末次不動産の社長。真中くらいの所に倒れていた。ナイフで腹を刺されていた。…

女ともだち

「女ともだち」(真梨幸子) ドロドロ小説なんだとか。でも、無理にドロドロにしなくても、いいような気がする。最初に出てくる、カレーに髪の毛が入っているとか、小説の筋に全然関係ないし。あざといというか。必要ないことが多すぎる。いずれにしても、「…

プリズン・トリック

「プリズン・トリック」(遠藤武文) 江戸川乱歩賞は、やたら衒学的で、トリックは大したことないから、嫌いなの。で、あまり読んでないんだけど、これは、帯に、選考委員の度肝を抜いたトリックと書いてあったから、読んだの。でも、トリックは大したことは…

百人一首の呪い

「百人一首の呪い」高田崇史 これはこの人のデビュー作。メフィスト賞受賞した奴。この人らしいというか、百人一首が延々と出てくるの。それも、学校で教えられたのとは、全然違う価値観で。 まず、最初に、百人一首は名作だと教えられたのに、駄作が多いと…

さよならファントム

「さよならファントム」黒田研二 面白かったわね。幻覚と現実と幻覚が次々と入り混じって、最後までジェットコースター状態で。 まず、妻の運転で車が事故を起こし、四肢の自由が利かなくなったピアニストが、妻の浮気の現場を見て、妻を絞殺すの。これがま…

カンナ・飛鳥の光臨,写楽殺人事件

「カンナ・飛鳥の光臨」(高田崇史) 最近、いきずまってしまったので、本屋で売れている本を探したの。売れているというか、何冊も出している人。その結果、歴史を題材にしている人が沢山本を出しているのに気がついたの。で、歴史を題材のミステリーを読ん…

もしも、戦国武将があなたの会社の社長になったら

「法医学教室の事件簿」面白かったドラマ。 横浜のレストランで、主人公と部下が食事をしていると、女性が撃たれて血まみれで歩いてきて、死亡。爪の間に皮膚片。 一方、川北判事の妻、(主人公の友人)が、夫が誘拐されて5千万を奪われたと申し出てきた。…

誤飲

「誤飲」仙川環 1・藤本洋文 藤本は、子供が欲しくなくて、妻に、嘘をついてピルを飲ませていた。妻の秋枝に変な電話がかかってきた。妻は見せないようにしていたが、番号を覚えて、かけてみると、不妊治療の病院だった。ところで、秋枝は最近、親密にして…

盗まれて

「盗まれて」今邑彩 1・「ひとひらの殺意」 香子が叔父の駒井の部屋202号室に来る。香子がつきあっていたのはタクヤ。彼は「桜の花びらが舞い散っている」と電話をかけてきて、その後、女性と心中した。このたび、最後に書いていた小説が新人賞を取って…

歪笑小説

「歪笑小説」東野圭吾 面白かったわね。この小説自体を皮肉っているような文――内容はスカスカでも売れればいい――みたいな文書がガンガンでてきて。 確かに、内容はあまりないの。小説業界の裏側をデフォルメしているだけで。例えば、小説家になったら、先輩…

RPG

「RPG」(宮部みゆき) 面白かったわ。超面白かったわ。さすがに百万部いっているだけあるわね。 舞台は、警察の取り調べ室と、それをマジックミラーで見る部屋だけ。 殺されたのは一美の父。彼は浮気症で、公然と若い女と浮気をしている。昔からこの浮気…

密の森の凍える女神

「密の森の凍える女神」(関田涙) 今、本の整理をするんで、昔のも読みなおしているんで、今週も、ちょっと古い小説から。 別荘で、殺人ゲームを始める。高口が殺されたことにする。高口、典子と恋人なんだけど、浮気症。ヴィッキーと高口と小夜子と典子が…

ふたり探偵(カシオペアの二重密室)

「ふたり探偵(カシオペアの二重密室」黒田研二。 この人は本当に天才だと思うわ。ネットに侵入して、アバターとして戦い、一方で、現実の世界で殺人がおこるとか、やっと最近になって、メジャーになったことを十年も前にやっていたのよ。それが、最近ではぱ…

民俗学者、八雲樹、生贄の島殺人事件

マンガだけど、面白かったので。 「民俗学者、八雲樹、生贄の島殺人事件」(金成陽三郎、山口譲司) 鳥居の下から人骨(生贄にされた)。離島(雉鳴島)。 八雲、松良カヨ、と築島耕太。ロケハンで来る。 八雲樹は、佐用子の首をはねる男たちの夢を見た? 翌…

奇面館の殺人

「奇面館の殺人」(綾辻行人) 今週も忙しいので、字で。 鹿谷、友人のかわりに奇面館の行事に行く。一晩200万。自分の部屋以外では、仮面をかぶること。使用人(鬼丸、長宗壁、瞳子)も同じ。鹿谷の友人は、10年前にこの館を取材したことあり。仮面が…

彼女がその名を知らない鳥たち

「彼女がその名を知らない鳥たち」(沼田まほかる) これも、また、すごい、どろどろした、男と女の世界。いいかえると、無償の愛とでもいうべきか。すごいとしか言えない。 主人公は、心から好きだった黒崎と別れて数年になる。陣治という冴えない男と暮ら…